2012 Fiscal Year Annual Research Report
時空間機能を有する高分子微粒子を用いた次世代先端材料に関する研究
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22685024
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 大介 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (90547019)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高分子微粒子 / ゲル / 化学振動反応 / アクチュエータ― / 機能性材料 |
Research Abstract |
時空間機能を有するゲル微粒子のデザインと機能制御に関しては、水系沈殿重合によって、単分散かつサブミクロンオーダーの範囲で制御可能としてきた。この微粒子の挙動は動的光散乱法をはじめとする各種散乱法によって測定可能であるが、挙動を多角的にとらえ、より明確なデータを取得することが重要であった。そこで、23年度に引き続き、顕微鏡法によって追跡することが可能な、ミクロンサイズのゲル微粒子の合成に関する検討を行った。沈殿重合時に電解質モノマーが存在すると、粒子径が小さくなることが課題となっていた。そこで、時空間機能を示す重要な電解質モノマーRu錯体を、ゲル微粒子合成後に金属イオンを配位する新しい合成手法を検討した。 また、各種散乱法(小角X線散乱法および動的光散乱法)を適用し、時空間制御型ゲル微粒子の構造の精密解析および体積振動の測定を継続してきた。そして、微粒子分散液のレオロジー観点からの検討も引き続き行ってきた。まず、回転粘度計を用い、体積振動・分散凝集振動によって変化する微粒子分散液の粘度挙動の全容の解明を目指した。そして、動的粘弾性測定に取り組み、体積振動をする高分子微粒子のレオロジー特性についての検討に発展している。ゲル微粒子のサイズを制御し、かつ粒子濃度を変化させることでレオロジー挙動に変化が現れることを確認した。固体的挙動と液体的挙動を変化させることにつながる基礎的な知見が得られたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とするゲル微粒子の合成を達成し、ゲル微粒子の精密サイズ制御を可能としたため。さらに、得られた微粒子を用いた検討についても、特にレオロジー測定に関して、さらなる発展につながる重要な知見を得ることができ、研究最終年度につなぐことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度である25年度は、これまでに得られた微粒子を利用した検討の集大成に移行する。特に、微粒子分散液のレオロジー観点からの検討に取り組む。動的粘弾性測定を極め、微粒子分散液が固体的挙動と液体的挙動を行き来する現象を実現させる。
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Research Products
(14 results)