2010 Fiscal Year Annual Research Report
多波長コヒーレント合成による高繰り返し極短光パルス発生の研究
Project/Area Number |
22686010
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉富 大 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 研究員 (10392680)
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Keywords | 超短パルスレーザー / 超高速計測 / レーザー制御 / フェムト秒 |
Research Abstract |
光化学反応の初期過程などの超高速現象を解明する超高速ブローブとして、極短光パルスは重要性を増している。本研究では、100MHz程度の高繰り返しで未踏の4フェムト秒以下の極短パルスを発生することを目的とし、3種類の異なる帯域のレーザー光のタイミング及び光波位相を高精度に同期制御し、合成する技術を確立し、波長600nm~1400nmに渡るコヒーレントな超広帯域光を発生させ、全帯域で分散補償を行うことにより、単一レーザー帯域の壁を超える極短光パルスの発生を実現する。これまでに、チタンサファイアレーザー(中心波長800nm)及びクロムフォルステライトレーザー(中心波長1250nm)の2種類のレーザーのタイミングと位相を0.1フェムト秒という世界最高の精度で同期制御することに成功している。今年度は、この2つのレーザーの波長領域の中間に位置するイッテルビウムファイバレーザー(中心波長1040nm)をさらに追加して、切れ目のない広帯域光を実現するために、チタンサファイアレーザーとイッテルビウムファイバレーザーの間の高精度なタイミング同期を試みた。低ジッターで安定性に優れた光の相互位相変調を利用する受動的方法を用いた。チタンサファイアレーザーからの光パルス列をイッテルビウムファイバレーザーの共振器中に注入し、非線形による相互位相変調を発生させることにより、受動的なタイミング同期を行うことができた。タイミングジッターは1.4フェムト秒であり、非常に低ジッターのタイミング同期を達成することができた。また、8時間以上にわたる長時間安定性を確認することができた。今後は、位相同期を行うことにより、超広帯域光を実現し、極短光パルス発生をめざす。
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Research Products
(9 results)