2011 Fiscal Year Annual Research Report
多波長コヒーレント合成による高繰り返し極短光パルス発生の研究
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22686010
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉富 大 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 研究員 (10392680)
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Keywords | 超短パルスレーザー / 超高速計測 / レーザー制御 / フェムト秒 |
Research Abstract |
光化学反応の初期過程などの超高速現象を解明する超高速プローブとして、極短光パルスは重要性を増している。本研究では、100MHz程度の高繰り返しで未踏の4フェムト秒以下の極短パルスを発生することを目的とし、3種類の異なる帯域のレーザー光のタイミング及び光波位相を高精度に同期制御し、合成する技術を確立し、波長600nm~1400nmに渡るコヒーレントな超広帯域光を発生させ、全帯域で分散補償を行うことにより、単一レーザー帯域の壁を超える極短光パルスの発生を実現する。 これまでに、チタンサファイアレーザー(中心波長800nm)及びクロムフォルステライトレーザー(中心波長1250nm)の2種類のレーザーのタイミングと位相を0.1フェムト秒という世界最高の精度で同期制御することに成功していることに加え、この2つのレーザーの波長領域の中間に位置するイッテルビウムファイバレーザー(中心波長1040nm)とチタンサファイアレーザーとの間にジッター1.4フェムト秒の高精度なタイミング同期を実現している。 本年度は、チタンサファイアレーザーとクロムフォルステライトレーザーの共振器を改良することにより、広帯域化を行い、両レーザーともに、半値全幅において100nm程度の帯域を実現できた。さらに、レーザー光の位相関係が合成波の第二高調波自己相関にどのように影響を与えるかについての数値計算を行った。今後は、位相同期を行うことにより、超広帯域光を実現し、極短光パルス発生をめざす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに3種類の波長の異なる超短パルスレーザーのタイミングの高精度な同期が実現しており、本年度、位相の同期を行うことにより、目的の達成は可能と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで実現できている高精度タイミング同期に加え、位相同期を行い、広帯域光の計測を行う。さらなる広帯域化を行う可能性があるが、高非線形ファイバなどを用いて、帯域拡張を試みる。
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Research Products
(6 results)