2013 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイド医療を目指した生体吸収性複合材料の材料設計法の開発
Project/Area Number |
22686014
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 訓史 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80326016)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生体吸収性プラスチック / ポリL乳酸 / 生体吸収性複合材料 / 高次構造 / 結晶化 / 配向 / マイクロメカニックス / 損傷力学 |
Research Abstract |
本年度は,生体吸収性プラスチック及び複合材料の高強度化のため,分子配向制御と強化材であるリン酸三カルシウム(TCP)の表面改質に関して調査を行った. 分子配向制御に関しては,本材料を用いた骨接合材料を産業化した際に低コストで作製することを考慮し,連続成形が可能な押出法を採用している.これまでの研究で延伸比が2以上の場合,せん断・ねじり強度に及ぼす延伸比の影響が少ないことがわかっている.この現象を考察するため,試料の配向関数を一回全反射フーリエ変換赤外線分光法を用いて算出した.この結果,配向関数の傾向は延伸比と相関があり,延伸比を大きくしても十分な延伸が行われていないことが示唆された.このため,有限要素解析により,押出延伸中の変形状態を検討することとした.このために,高温における圧縮試験を行い,使用しているポリL乳酸(PLLA)の真応力―真ひずみ線図を温度の関数として取得し,材料物性として用いた.結果として,押出延伸中の分子の配向は試料の外表面近傍のみにおいて行われていることが明らかとなった. TCPの表面処理によりTCP/PLLA複合材料の強度を向上させることが可能であることは前年度までの研究で明らかとなってきているが,その向上のメカニズムが未解明であった.このため,まず,もっとも脆弱であるTCP/PLLA界面がいつ破壊しているのかを明らかにするため,アコースティックエミッション測定を行った.得られた実験結果から,界面相破壊と試験片の最終破壊には相関があることが確認され,界面破壊が複合材料の破壊の起点となっていることが明らかとなった.界面破壊をさらに考察するため,有限要素法計算によりTCP周りでの応力分布を計算した.この結果,界面相厚さがある程度までであれば,複合材料としての弾性率を損なうことなく,界面における応力を低下させることが可能であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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