2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド駆動機構を用いた超精密2自由度回転テーブルシステム
Project/Area Number |
22686016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉岡 勇人 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (90361758)
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Keywords | ハイブリッド駆動 / 空気圧アクチュエータ / 電磁アクチュエータ / 回転テーブル / 超精密位置決め / 静圧軸受 |
Research Abstract |
平成23年度は,超精密2自由度回転テーブルシステムを構成するために重要なコア技術について,さらなる研究を実施した。その結果,以下の研究成果が得られた. (1)ハイブリッドアクチュエータを組み込んだ1自由度回転テーブルを試作し,実際に負荷を作用させることでその特性を評価した.ハイブリッドアクチュエータの特性を考慮し適切にオブザーバを構成することで,空気圧アクチュエータのみでは非線形性が強く困難な加工力推定に関して,センサレスで高精度に加工力推定が可能であることを明らかにした. (2)駆動角度範囲に制限があるハイブリッドアクチュエータに対して,360度の連続回転可能な高性能回転アクチュエータを実現するため,新たな構造のトルクリップルフリートロイダルモータを提案および構築した.開発したモータはヨーク形状を最適化することで理想的な磁束密度分布を実現する構造であり,磁石の個体差によるトルクリップルの影響を排除している.実際に空気静圧主軸に組み込み回転性能評価を行った結果,広い回転速度範囲にわたって回転中の角度誤差が僅少となる高精度モータを実現した。 (3)高剛性かつ高減衰な軸受を実現するため,従来非圧縮性とみなされてきた油静圧軸受の作動流体に着目し,さらなる剛性実現のため(a)溶解気体を脱気した作動油,(b)新規に開発された高剛性油を用いた高剛性油静圧軸受を試作した.実際に構築した軸受について軸受の基本特性評価を行った結果,特に動剛性の向上が確認でき,提案する軸受が加工力外乱が作用する工作機械用軸受として有用であることを確認した.
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