2010 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ軟X線集光ミラー形状修正システムの構築
Project/Area Number |
22686017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三村 秀和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30362651)
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Keywords | X線ミラー / 軟X線 / ナノ精度 / 形状修正 / 成膜 |
Research Abstract |
回転楕円型X線集光ミラーは、X線を色収差なく、高効率に集光可能であることから、様々なX線分析技術の性能向上に寄与する。しかしながら、必要な形状精度が高いこと、形状が非球面形状であることから、実用に供するミラーは実現していない。本研究では、高精度回転楕円型X線ミラー作製のための形状加工、形状転写、形状計測システムを開発を目指している。 平成22年度の研究項目1である2次元位相回復法による形状算出プログラムの開発では、X線を集光することが可能な回転楕円面の形状設計を行い、3次元的な形状誤差の設定方法を確立した。そして、必要精度に関する定量的な評価を可能とした。その後、その形状を評価する2次元位相回復プログラムを完成させた。本研究では、Bradyらが開発したAngular Spectral Methodを組み合わせた位相回復アルゴリズムを導入した。 研究項目2であるX線ミラーの形状修正法の開発では、X線ミラーに必要なマンドレルの加工のためのEEM加工装置を開発した。本装置ではノズルタイプのEEMを加工法として採用し、マンドレル加工のためXYZ軸と回転ステージを装備した。また、加工条件の評価に必要な位相シフト干渉顕微鏡の導入を導入した。そして、開発した加工装置によるスポット加工を確認した。形状修正加工を実施するための速度算出プログラムの開発を行った。 以上のように、本研究1年目においてX線ミラー用の加工装置、計測装置が整備された。今後これらを活用しX線ミラーの作製、評価を実施する。また、マンドレルの形状の転写を行うことを目的とした高精度電鋳法の開発も同時に進め、X線ミラーの作製プロセスを構築する。さらに、In-situでの膜厚分布成膜について検討を開始する。
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