2010 Fiscal Year Annual Research Report
10nmオーダすきまでの流体潤滑性能に及ぼす添加剤吸着層の影響
Project/Area Number |
22686019
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
平山 朋子 同志社大学, 理工学部, 准教授 (00340505)
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Keywords | トライボロジー / 流体潤滑 / メゾすきま領域 / 添加剤吸着層 / レイノルズ方程式 / ナノテクスチャリング |
Research Abstract |
境界潤滑状態においては,表面突起間で生じる真実接触部での潤滑油・添加剤の挙動がその摩擦特性を大きく支配することは周知の事実である.しかしながら,近年,しゅう動部材の加工精度の向上に伴って非真実接触部における二面間のすきまも狭くなる傾向にあり,非真実接触部での潤滑特性の影響が相対的に大きくなっていることが指摘されている.これらの背景を踏まえ,本研究では10nm~100nmのメゾすきま領域に焦点を当て,固液界面の状態が流体潤滑性能に及ぼす影響を詳細に調べることを目的とした.特に,本研究では固液界面における添加剤吸着層の存在に着目し,その存在がメゾすきま領域での流体潤滑特性にどのような影響を及ぼすかを定量的に調査することとした.一般的なしゅう動速度条件下において,10~100nmのすきまで二平板を保持するには,動圧発生機構を利用すること以外では極めて困難である.よって,本研究では,フェムト秒レーザによる表面へのナノテクスチャリング加工を施した平板を用い,動圧発生に伴う自動すきま調整機構を有する平板-平板型摩擦試験機を開発した.それを用いて摩擦試験を行ったところ,最適設計したナノテクスチャ表面を用いた場合には高面圧・低速状態においても境界潤滑状態に至りにくく,広い条件範囲で流体潤滑状態が維持されることが確認できた.また,レイノルズ方程式を用いた解析により,そのときの流体潤滑すきまは100nm前後であり,平板間にメゾすきまが構成できていることを確認した.また別途,中性子反射率計を用いて金属表面に形成される添加剤吸着層の厚みを調べたところ,その厚みは,1-2nmのオーダであることが分かった.
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