2011 Fiscal Year Annual Research Report
10nmオーダすきまでの流体潤滑性能に及ぼす添加剤吸着層の影響
Project/Area Number |
22686019
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
平山 朋子 同志社大学, 理工学部, 准教授 (00340505)
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Keywords | トライボロジー / 流体潤滑 / メゾすきま / 添加剤吸着層 / レイノルズ方程式 / ナノテクスチャリング |
Research Abstract |
境界潤滑状態においては、表面突起間で生じる真実接触部での潤滑油・添加剤の挙動がその摩擦特性を大きく支配することは周知の事実である。しかしながら、近年、しゅう動部材の加工精度の向上に伴って非真実接触部における二面間のすきまも狭くなる傾向にあり、非真実接触部での潤滑特性の影響が相対的に大きくなっていることが指摘されている。これらの背景を踏まえ、本研究では10nm~100nmのメゾすきま領域に焦点を当て、固液界面の状態が流体潤滑性能に及ぼす影響を詳細に調べることを目的とした。特に、本研究では固液界面における添加剤吸着層の存在に着目し、その存在がメゾすきま領域での流体潤滑特性にどのような影響を及ぼすかを定量的に調査することとした。一般的なしゅう動速度条件下において、10~100nmのすきまで二平板を保持するには、動圧発生機構を利用すること以外では極めて困難である。よって、本研究では、フェムト秒レーザによる表面へのナノテクスチャリング加工を施した平板を用い、動圧発生に伴う自動すきま調整機構を有する平板-平板型摩擦試験機を開発した。それを用いて、メゾすきま領域での二面間の流体潤滑挙動を実験的に調べたところ、添加剤を混入した場合のほうがすきまがより狭い条件であっても流体潤滑状態を維持し、これより、添加剤の混入が見かけ上の流体潤滑領域を広げ得ることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置の製作も完了し、実験もほぼ計画通り実施できている。これより、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
安定的にデータの取得が可能となってきたことから、サンプル数を増やして数多く実験を行っていく。同時に、解析プログラムを用いて計算した理論予測結果と常に比較を行い、効率良く実験を進めていくことを心がける。現時点で研究は順調に進展しており、計画の変更予定は特にない。
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