2010 Fiscal Year Annual Research Report
レオロジー測定、数値流体力学、化学分子計測の統合解析による高分子液体反応流の研究
Project/Area Number |
22686020
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
長津 雄一郎 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (60372538)
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Keywords | 反応流 / 高分子液体 / レオロジー / 数値流体力学 / 化学分子計測 / Viscous fingering / ゲル / 反応速度測定 |
Research Abstract |
本年度は、(A)高分子液体を用いた、反応による粘度変化を伴う液相反応流の更なる系統的実験およびCFDによるその反応性高分子液体力学の解明、(B)実験によるゲル生成反応を伴う高分子液体反応流における、ゲルの性質とそれが反応流場に及ぼす影響の解明、(C)化学分子計測による高分子液体反応流における非定常現象の解明、を同時進行で行った。研究(A)では、水飴水溶液、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液間の化学反応により、溶液粘度が適度な速度で増加することを見出し、前者を高粘性液体、後者を低粘性液体に用い、VF実験を行い、反応を伴わない場合と比較することにより、この反応によりVFは疎なパターンになることを明らかにした。これらの結果はPhysics of Fluidsに掲載された。また、以前、申請者らが実験的に明らかにした、瞬間反応により粘度の増加もしくは減少するVFを数値計算により検討し、実験結果と同様な結果が得られた。また実験研究で提案した、瞬間反応による粘度変化がVFパターンに及ぼす影響を説明しうる物理モデルの妥当性を、数値計算により示した。これらの結果はPhysics of Fluidsに掲載された。研究(B)では、その本質となる現象の一端はとらえているが、まだまだ系統的な実験が必要であり、反応流実験を行った。さらにダブルウォールリング界面レオロジーシステムを導入し、複数の、異なるであろうゲルの性質を定量的に評価することに成功した。研究(C)に関しても、その本質となる現象の一端はとらえているがまだまだ系統的な実験が必要であり、反応流実験を行った。この研究での非定常現象は、分子構造を解明しなければ流体現象を説明できない、おそらく世界で最初の反応流の事例であり、分子計測により申請者が予測している分子構造の変化を実証できるかが最大のポイントであり、本年度は、化学分子計測として、光散乱法を用い、分子量の時間的変化の測定の試測定に成功した。
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