2012 Fiscal Year Annual Research Report
レオロジー測定、数値流体力学、化学分子計測の統合解析による高分子液体反応流の研究
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22686020
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長津 雄一郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60372538)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 反応流 / 高分子液体 / 界面レオロジー / Viscous fingering / 数値計算 |
Research Abstract |
ゲル生成反応を伴う高分子液体反応流の研究では、ある高分子水溶液を高粘性液体とし、それと反応する二つの金属イオン(Al3+、Fe3+)水溶液を低粘性液体とし、ヘレ・ショウセル内での置換実験を行った。ある流動条件下で、両方の場合でゲルが生成されるにもかかわらず、置換効率は非反応の場合に比べ、Al3+の場合は減少し、一方、Al3+の場合は増加した。この結果は、ゲル生成が置換効率に及ぼす影響は、ゲルの種類によることを示している。この理由を明らかにするために、ダブルウォールリングセンサーを用いた、液液反応界面レオロジー測定を行った。その結果、ゲル生成(G’(貯蔵弾性率)、G”(損失弾性率)の急激な増加)後、Al3+の場合、G”が時間と共に減少し、一方、Fe3+の場合、G’が時間と共に増加することが明らかとなった。このレオロジー測定結果を下に、両ゲルが置換流れ場に及ぼす影響の差異を説明する物理モデルを提案した。 化学分子計測を用いた高分子液体反応流非定常挙動の解明の研究では、FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いた測定を行った結果、大きな進展は得られなかった。 粘度変化を伴う高分子液体反応流の研究では、これまでに用いてきた高分子液体とは種類の異なるもの用い、さらに既往の研究より、条件を広げてヘレ・ショウセル内での置換実験を行った。その結果、従来、非常に速い反応による粘度減少により、置換効率が減少するとされてきたが、広い流量範囲の下では、それが置換効率に及ぼす影響には流量依存性があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文としてまとめられる結果は10報程度はあるが、論文執筆に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
化学分子計測に関しては、FTIRについて、昨年度は、日本分光(株)の有する機器を用いて行ったが、この場合、測定回数が極端に限られることから、今年度は、その装置の購入し、この研究の進度を図る。 論文を執筆する。
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