2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22686021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新宅 博文 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (80448050)
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Keywords | 界面動電現象 / ナノ制限空間 / 生体高分子 / 一分子計測 / マイクロ・ナノ流体 / 可視化 / MEMS / DNAシーケンシング |
Research Abstract |
本研究では,ナノ制限空間におけるイオン流動および界面動電現象を対象とじた独創的な可視化計測技術を開発する.そして,対象の詳細流動を明らかにすると共に,物理現象を利導した新しい単一分子分析技術の基盤を構築することを目的としている.ナノ制限空間とは,ナノ流路あるいはナノボア(孔)等のナノスケールの構造や界面に拘束された流動場であり,バルクとは全く異なる性質を示すと考えられる.本年度は,代表寸法が200~1,000nm程度のナノ流路を対象として,内部に拘束された長鎖DNAの流動イオン流動および界面動電現象について詳細に計測を行った.ここで用いたナノ流路は対向する流路壁面がカバーガラスで構成されており,比較的容易に光学計測を適用することが可能である.そこで,独自に考案した二種のトレーサ粒子を用いた界面動電現象の計測技術を用い,ナノ流路における長鎖DNAの電気泳動および溶媒の電気浸透流について詳細に計測した.その結果,ナノ流路の強い拘束により,長鎖DNAの流動性がバルク中と比較して顕著に低下することが確認された.また,ナノ流路の深さ,すなわち拘束の程度に応じて,流動性の低下量が変化することが分かった.さらに,これらの実験的知見に基づき,本流動性の変化を説明する数理モデルを構築し,その詳細メカニズムを考察した.ここでは,長鎖DNAとナノ流路壁面間における溶媒の流れに着目し,その流動場から長鎖DNAに生じる力を評価した.以上の結果を,国際雑誌や専門会議で公表することができた.
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Research Products
(3 results)