2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーアブレーション加振による超小型機器の高周波数帯域における非接触振動実験法
Project/Area Number |
22686025
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
細矢 直基 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40344957)
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Keywords | 高周波数帯域 / レーザーアブレーション / 超小型機器 / 非接触 / 振動実験解析 |
Research Abstract |
近年のハードディスクドライブ等の情報機器の小型化かつ大容量化,MEMS技術による多機能センサの高精度化の要求を満たすためには,数十kHz程度の高周波数帯域に固有振動数を有する超小型機器の振動問題を実験的に解決することが必須である.しかし,数kHz程度の低/中周波数帯域を対象とした従来の振動実験解析法では対応できないそこで,レーザーアブレーションを用いたインパルス加振に基づくMEMS等の超小型機器のための高周波数帯域における非接触振動実験解析法を提案する.高出力YAGレーザーを被照射部にナノ秒オーダーでパルス照射しレーザーアブレーションを瞬時に発生させることで,理想的なインパルス加振入力を作用させ高周波数帯域の非接触加振を実現する. 平成22年度は,レーザー加振を用いた周波数応答関数(FRF)計測において,力計測を非接触,かつ理想的な点加振で実現するための手法を検討し,以下の結論を得た. (1)ロードセルによる力計測をセンサレス化したFRF計測法を提案した.本手法は,加振点をレーザー加振した際の応答を対象構造物に取り付けられた加速度センサにより計測し,その複素フーリエスベクトルを事前に規格化したレーザー加振力で除し,さらに応答に含まれるむだ時間を考慮することで,出力の複素フーリエスペクトルの位相特性を補正することによりFRF計測を実現する. (2)高周波数帯域に固有振動数を有する構造物の自己FRF,および相互FRF計測において,力計測のセンサレス化が実現できることを示した. (3)力計測をセンサレス化するために,レーザー加振力を規格化する手法を導入した. (4)レーザー光のスポット径と計測FRFの関係を調査し,適切なスポット径を示した. また,本研究の応用として,レーザー加振技術を用いた高周波帯域の特性変動検知に基づくヘルスモニタリングを実施し,ボルトの緩み検知を実現した.
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