2012 Fiscal Year Annual Research Report
表面処理および表面分析手法による真空長ギャップ絶縁の新体系化
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22686029
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山納 康 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (30323380)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大面積 / 真空 / 表面分析 / 長ギャップ / 電気絶縁 |
Research Abstract |
本研究では平等電界下の真空中絶縁破壊特性を調べるため、電極形状が近似ロゴウスキー電極で、電極材料を無酸素銅として、通常旋盤加工のφ129(電極面積:7850mm^2)、φ69(電極面積:2920mm^2)、φ38(電極面積:660mm^2)の電極、ダイヤモンドバイト加工仕上げのφ69の電極、加工業者の異なる表面粗さが粗いφ69の電極とその電極に化学研磨を施した電極を用意した。加えて供試電極と加工条件、化学研磨の有無、保存状態の同じ小型電極を用意し、その小型電極のXPS表面分析の結果を用いて、実験結果を検討した。 各電極において、15 mm~30 mmのギャップ長から絶縁破壊試験を行ったところコンディショニング効果が確認でき、絶縁破壊を繰り返すと徐々に破壊電圧が上昇し、200~400回程度で飽和した。全ての電極で程度は異なるが、ギャップ長に対して1/2乗で上昇する特性が得られた。このギャップ長に対する絶縁破壊特性は、通常旋盤加工の電極、加工業者の異なる表面粗さが粗い電極、ダイヤモンドバイト加工で仕上げた電極のいずれの電極においてもほとんど違いは生じなかった。これはXPS表面分析結果より、電極加工時あるいは輸送時に生じた汚損が多いためと考えられる。また表面粗さの粗い電極に化学研磨を施した電極においては、絶縁破壊電圧が上昇した。これは表面粗さの結果から、化学研磨より粗さが低下したためと考えられる。 電極面積を変えて絶縁破壊電圧を調査したところ、絶縁破壊電圧は電極面積の-0.29乗の特性となった。過去の文献では、電極面積の-0.23乗となっており、この違いは本実験の電極の表面粗さや汚損状態の違いによると考えられる。 以上により本研究では、真空中における代表的な表面加工・研磨処理を施したときの無酸素銅電極における長ギャップ・大面積の絶縁破壊特性の基礎データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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