2011 Fiscal Year Annual Research Report
光多重信号解析のための超高速多次元コヒーレント光オシロスコープ
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22686039
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
坂本 高秀 独立行政法人情報通信研究機構, 光ネットワーク研究所・光通信基盤研究室, 主任研究員 (70392727)
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Keywords | 計測機器 / 光通信 |
Research Abstract |
【超高速コヒーレント光オシロスコープの基本原理実証】新提案技術である,超高速コヒーレント光オシロスコープの基礎実証を行った.光コム発生回路及び,光検出系を組み合わせ,超高速コヒーレント光オシロスコープを構築した.また,検出,解析部分には光位相回復アルゴリズムを実装した。これにより、光信号のコヒーレント解析を可能とした。超高速光信号の復元波形の実軸、虚軸成分の2次元取得が可能となった。光受信、解析回路の非線形領域での復元信号に対する影響を解析した。この非線形動作の解析により、本光計測方式の測定誤差を規定することができると考えられる。 一方、被測定信号を合成するために、光領域での合成回路を作成し、ここから得られる信号の光波形測定を行った。この光合成回路は、当初発展課題として計画してきた光符号を光段で信号合成するものであり、光8並列型回路の開発を行った。これにより、光通信システム上で用いられる被測定光信号等のエミュレートが可能となる。 【超高速光波形測定】超高速コヒーレント光オシロスコープを用い,超高速光信号の簡易計測機能を実証した.サンプリングレート80GSa/sの超高速光信号を用意し,光信号波形を計測できることを示した.本年度には,超高速光信号に光パルス信号等を用い,超高速コヒーレント光オシロスコープの応答性等の基本性能を明らかにした。本オシロスコープを用い、相互相関測定による評価手法の動作を確認した。この技術は、光信号波形の評価を実現するだけでなく、超高速信号に対する隣接信号間の影響を評価することを可能とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を進めるには、本測定技術及び被測定対象の信号源の開発が要となるが、本年度はこの基礎を実証、確認することができた。示す性能についても、80GHz信号の測定を行っており、当初予定していた100GHzから1THz領域に迫るものである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を進める上で、光通信分野への応用は最も大きな課題である。今後より、高いサンプリングレートを得ることは重要であるが、実験的実証はより困難となることが予想される。光通信システムでは、光多値化や多重化の重要性が本研実施期間中にも更に高まっている。従って、本研究も高サンプリングレート化追求よりもむしろ、複雑な光信号測定機能を示すことに、研究の重点をおいてゆく予定である。
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Research Products
(4 results)