2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22686040
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
手老 篤史 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (60431326)
|
Keywords | 応用数学 / 制御工学 / 認知科学 |
Research Abstract |
本研究は生物の内部状態と周期運動の共振現象に着目したモデルを用い、研究を推進するものである。本年度は特に四脚動物の歩容遷移に対しての数値計算及び実機製作と、ゾウリムシの容器形状記憶についての数値計算を行った。四脚動物は歩行・走行の速度によってその歩容をウォーク・トロット(ペース)・ギャロップというように変化させる。前年度までの研究で脚の角速度のみで歩容遷移が再現可能であることがわかった。これまでは重心の左右のぶれ・腰の捻り・背骨の屈折の3つの内部状態を仮定して数理モデルを構築したが、23年度では身体のロール方向の回転・腰の捻り・身体のピッチ方向への回転についても同等の結果が得られることが確認された。その後、との結果を基に一般的な固有モードに対しての数理モデルに改良することにより、より複雑な構造に対しても理解が可能となった。これらの理論を基に東北大学石黒章夫研究室との共同研究で脚間の神経相互作用の無いロボットの製作を開始し、安定したウォーク歩行に加え、ウォーク・トロット間の歩容遷移が実機にて確認できた。また、ゾウリムシの容器形状記憶についての数値計算を行った。本研究は1935年にFritz Bramstedtが行った、ゾウリムシが容器の形状を記憶するという実験に基づいている。だが、本論文では詳しいデータが少ないため、はこだて未来大学中垣俊之教授の研究室にてテトラヒメラによる追実験を開始し、それと共に数理モデルの改善を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四脚動物の歩容遷移についての数理モデル・解析はかなりまとまり、現在論文にまとあている。ゾウリムシ(テトラヒメラ)の容器形状記憶についても数理モデルはかなりまとまり、連携研究者による実験データが集まるのが律速となっている。このような状態であるため、研究は順調に推進しているということができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のように順調に進展しているため、特に問題はない。今後については以下のように研究を推進する。 四脚動物の歩容遷移、 1、数理モデルやその解の分岐の解析・証明 2、実機によるギャロップへの歩容遷移 ゾウリムシの容器形状記憶 1、実験データとのフィッティング、 2、数理モデルの解析
|
Research Products
(3 results)