2012 Fiscal Year Annual Research Report
衛星及びXバンドMPレーダによる観測情報を用いた統合的データ同化手法の開発
Project/Area Number |
22686045
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷口 健司 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (20422321)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 降水予測 / 衛星観測 / データ同化 / 雲微物理 / レーダ観測 |
Research Abstract |
本研究では,衛星観測データを活用した雲微物理衛星データ同化手法の高度化と,XバンドMPレーダによる観測データ(XRAIN)を用いたデータ同化手法の開発に取り組む. 平成24年度は,領域気象モデルWRFにおいてXRAINを同化するための同化システムの動作確認と,実装に必要なデータの前処理に関する検討を行った.空間解像度の高いXRAINをデータ同化へ活用するには,モデルの空間解像度との対応及び観測誤差特性からデータを間引く必要がある.XRAINの空間解像度を2000mとした場合にも,反射因子の空間分布特性は認められ,解像度を粗くした観測データでも同化効果が期待されることが示された. また,アンサンブルカルマンフィルタ(EnKF)による雲微物理衛星データ同化手法の高度化に向け,気象衛星ひまわり(MTSAT)による観測データを用いた雲水量及び水蒸気量分布の変更が気象予測結果に与える感度実験を行った.MTSATによる観測輝度温度から推定した雲頂高度と,定数として与えた雲底高度の間で雲水量を鉛直配分させた実験では,MTSATデータを用いない場合に比べ顕著な変化がみられた.鉛直配分する際の雲水量の最大値を変化させた感度実験では,降水量変化が小さいことが示された.一方,雲底高度を変化させた感度実験では,雲底高度の増加に伴う降水量の顕著な減少が見られた.本手法では雲層の相対湿度を100%と設定しているため,雲底高度増加による水蒸気量の減少が降水量に大きな影響を与えたものと考えられる.また,雲水量を2次式,4次式,6次式の放物線状に鉛直配分させたが,影響はわずかであった.MTSAT観測データを用いて与えた雲域は,元のシミュレーションにおいて雲が存在する領域では維持されるが,それ以外では長時間維持されず,雲水量・水蒸気量の変化に加えて,鉛直流等の大気場の最適化が不可欠であることが示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)