2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境浄化に関わる未培養微生物を生きたまま選択的に回収する技術の創成
Project/Area Number |
22686050
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
関口 勇地 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (20313570)
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Keywords | 環境技術 / 微生物 / 土木環境システム / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 生態学 |
Research Abstract |
平成22年度は、以下の(1)~(3)の課題に取り組み、予定通りの成果が見られた。具体的には、(1)難培養微生物の典型的な例であるGemmatimonas属細菌とKSB3門細菌(活性汚泥、嫌気性汚泥に存在)を利用し、本微生物群に対して特異的に結合するペプチドリガンドを、M13ファージを用いたファージ・ディスプレイ法で選別することを試みた。その結果、両細菌に対して特異性があると推定されるペプチドを選別することができる技術を確立することができた。(2)得られたペプチドを利用し、活性のある複合微生物群集から特定の微生物を生きたまま回収する技術の検討を行った。磁気ビーズ得られたペプチドを固定し、磁気を利用して特定微生物菌体を回収するなどの方法により、Gemmatimonas菌体を生きたまま特異的に回収することが可能であることが示された。(3)Gemmatimonas属細菌とKSB3門細菌を対象とし、標的細菌に特異的なDNAプローブ(16S rRNAを標的)を作成、FISH法とフローサイトメータを組み合わせ、本微生物を複合微生物群集中から選択的に回収する技術を確立した。以上の検討を通じ、ファージ・ディスプレイ法による菌体特異的ペプチドの選択と、それを利用した微生物の回収技術に関する基礎的検討と、その基盤技術の確立を行った。
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