2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境浄化に関わる未培養微生物を生きたまま選択的に回収する技術の創成
Project/Area Number |
22686050
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
関口 勇地 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (20313570)
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Keywords | 環境技術 / 微生物 / 土木環境システム / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 生態学 |
Research Abstract |
平成23年度は、平成22年度で開発した微生物回収技術を利用し、メタン回収型廃水処理プロセス(嫌気性廃水処理プロセス)に存在する未培養微生物群を標的とした選択的回収システムを構築することを試みた。特にバルキング原因微生物、難培養細菌およびアーキア群について、その16S RNAを標的としたFluorescence in situ hybridization(FISH)用プローブの情報をまとめ、必要なプローブを設計、作製した。具体的には、バルキング原因微生物についてその分子遺伝的特徴を把握するため、バルキング汚泥を対象とした16S RNA遺伝子のパイロシークエンシングを実施し、原因微生物の特定を進めた。また、バルキング原因微生物と推定された3種の微生物群(VerrucomicrobiaやBacterieroidesに属する未培養細菌群)をFISH法で検出するためのDNAプローブを設計、作製し、それらの細胞を蛍光染色する方法を確立した。さらに、前年度に引き続きペプチドを利用した菌体回収技術に関する基礎的検討を行い、本手法を利用して実際の未培養微生物群を培養可能にするための検討を実施した。具体的には、嫌気性廃水処理汚泥への分子系統学的解析からその存在が予見されている、系統学的に新規で処理プロセスにおいて重要な未培養系統群(バルキング原因微生物など)に対して本手法を適用し、それぞれに特異的なペプチドの選定後、ペプチドリガンドを利用した各微生物細胞の高濃度、高純度取得を試みた。その結果、新規な細菌を複数種類所得することに成功した。所得、分離した株については、新種記載のための解析を実施し、その一部について論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、未培養微生物群を標的とした選択的回収技術の開発が順調に進展しており、その方法を利用して分離、培養された新規微生物を複数種獲得している。論文公表も進んでおり、順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画通り課題を実施し、論文公表等を積極的に進めたい。
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Research Products
(5 results)