2010 Fiscal Year Annual Research Report
住宅における通風環境評価および通風計画に関する研究
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22686054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤嶺 嘉彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (40447420)
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Keywords | 自然エネルギー利用 / 通風 / 風洞実験 / 可視化 / シミュレーション |
Research Abstract |
日本の住宅における通風の活用は気候風土に順応した必要不可欠な技術であり、その研究の歴史は古い。しかし、「建物周辺状況・建物性能・住まい方」などの通風活用における前提条件は近年、著しく変化しており、通風の効果的な活用やその計画法の整備にあたっては、今一度、現状の通風気流性状の実態を把握することが必要である。 気流性状の計測方法の1つに可視化技術とデジタル画像解析技術を応用した粒子画像流速測定法がある。しかし、この測定法ではレーザーを光源とするため危険を伴い、現場(一般的な住宅)でのシステムの構築が容易ではない。また、解析可能な範囲も数十センチ四方が限界である。そこで、まず、現場における通風気流性状の実態を把握するための現場測定法の検討を実施した。このシステムに求められる要件は、「レーザー光源を使用しない(安全性)」、「光源の光量不足を補うため、低照度で撮影できるカメラであること」、「カメラの画角は45°であること(広範囲の計測)」、「可視化用にドージングするトレーサー粒子は無害かつ、居室を汚さないこと(安全性・簡易性)」、「装置一式を容易に運搬できること」である。 平成22年度はこれらの要件を満たす計測システムの計画、構成機器の選定・導入を行った。 風洞実験により計測精度の検証を行った。その結果、本システムにより気流性状を概ね把握できる精度が得られることを確かめた。また、計測システムの操作性や光源の設置方法・トレーサー粒子散布方法などのノウハウの蓄積を目的とした実住宅における現場実測を実施。周辺の外乱(日射や反射物)の処理などについては、改良の余地を残すが、実際の現場においても本システムを構築し計測することが可能であった。 次年度以降は、気流性状の現場計測法の検討を進め、その確立を目指すとともに、現場にて通風気流性状の実態の把握を進めていく。
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