2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22686056
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉岡 陽介 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00361444)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中心視 / 周辺視 / 空間把握 / 歩行 / 迷路 |
Research Abstract |
本研究は、探索歩行時の空間把握における中心視と周辺視の協応関係の解明を目的とする。前年度には、視野機能の定量計測が可能な実験システムの開発をおこなった。当該実験システムは、広視野角ヘッドマウントディスプレイを改造したもので、被験者の視野の任意の部分を制限することができる。視野制限したときに生じる被験者の行動の変化を観察することで、中心視と周辺視それぞれの視覚機能の精査、特に、二つの視覚機能の協応関係についての定量的な分析が可能となる。 今年度は、来年度以降の被験者実験に使用するVR迷路の構築をおこなった。想定している被験者実験では、ヘッドマウントディスプレイ内に、被験者の首の向きや実験空間内での位置に連動した仮想空間を投影し、その中を被験者に実際に自分の足で歩き回ってもらう。仮想空間内での被験者のダイナミックな探索行動と、視野の制限条件との照合を行うことで、歩行中の視野の機能をより自然に近いかたちで抽出する。限られた実験スペースの中で、いかに効率よくより汎用性の高い迷路構造を展開できるか、そのあり方を模索し、数度のブラッシュアップを繰り返しながら実験に最適な形状のVR迷路を完成させた。構築にあたっては、仮想空間構築用のソフト“Vizard”を用い、ウォータールー大学のコリン・エラード准教授に協力を仰いだ。当該研究室の最新鋭の設備を利用し、実験装置を動かすためのVR仮想空間の構築、プログラミングの改良をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
業者に委託した実験機器の作成が遅れたため、当初予定より遅延が生じたが次年度には取り戻した。
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Strategy for Future Research Activity |
構築したVR環境を用いて大規模な被験者実験を継続する。実験の実施および結果の分析にあたっては、1)曲がり角や分岐路など複雑な経路空間における中心視と周辺視の機能、2)経路空間を「記憶」するときに必要となる中心視と周辺視の機能、3)距離把握における中心視と周辺視の機能、の三点に、順に焦点を当てすすめる予定である。
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