2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22686059
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
溝口 照康 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70422334)
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| Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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| Keywords | 電子線エネルギー損失分光 / 高分解能像 / 透過型電子顕微鏡 / 第一原理計算 / その場観察 / 液体 / 時間分解 / in situ |
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| Research Abstract |
本研究は透過型電子顕微鏡を用いて時間分解能でその場（in-situ）観察・計測するとともに，得られる結果を定量的に解析することのできる高精度第一原理スペクトル計算方法を開発し，材料で生じる種々の化学反応のメカニズムを明らかにすることを目的とした研究である。
まずMEMSホルダーを用いて金のナノコンタクトをin situ変形させ，その際の伝導特性を調べた．その結果，転位が一原子分移動するだけで大きなノイズが発生することが分かった．さらに移動する前後においてもノイズが発生することを明らかにした（Sci. Rep. 2012，新聞報道）．
また，リチウムイオン電池材料の酸化還元反応を追跡することを目的としてリチウムイオン伝導体およびMn系化合物のELNESの解析を行った．リチウムイオン導電体においては原子レベルのorder構造が形成されており，さらにそのdomain boundaryにおいてLiの組成が変化していることを突き止めた（APL2012）．また，Mn系化合物においても酸素空孔により導入される局所ひずみを二次元に可視化することに成功した（JAP2012）．さらに，強誘電体に導入される空孔の定量と動的挙動を調べることを目的として，ペロブスカイト型化合物の酸素空孔が及ぼすTi-L2,3端への影響をしらべた．その結果約1%の酸素の組成の変化を調べることができることを突き止めた．（APL 2012）
また，本研究で開発した高精度かつ高速ELNES理論計算法を界面および格子欠陥に適用し，従来の手法の約三倍のスピードで計算が可能であることが分かった（Micron 2012）．
次年度（2013年度）は最終年度であり，Mn系リチウムイオン電池の反応をin-situスペクトル測定するとともに，高精度第一原理計算によりその反応機構を追跡する予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では実験的な測定と，理論計算による解析法を開発し，さらに物質研究に適用することを目的としている．これまでに実験手法および理論計算法を開発しており，目的を達成できる手法が確立できている．来年度においては本手法を実材料に適用し，化学反応のメカニズムを解明することを目指す．具体的には，Mn系リチウムイオン電池の反応をin-situスペクトル測定するとともに，高精度第一原理計算によりその反応機構を追跡する．
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| Strategy for Future Research Activity |
現在までに目標を達成できつつある．本研究で開発した実験的，理論的な手法を実材料に適用する予定である．具体的にはリチウムイオン電池材料の酸化還元反応を追跡する予定である．また，触媒反応を追跡するためには触媒反応が進行する液体のスペクトルを解釈する必要がある．そのような液体のELNESを計算する手法を開発する予定である．
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