2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22686059
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
溝口 照康 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70422334)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 電子線エネルギー損失分光 / 吸収端近傍微細構造 / 透過型電子顕微鏡 / 第一原理計算 / その場観察 / 液体 / 時間分解 |
Research Abstract |
本研究では,EELSに代表される内殻電子励起スペクトルを時間分解能でその場計測するとともに,得られるスペクトルを第一原理スペクトル計算により解釈することにより,材料で生じる種々の化学反応のメカニズムを明らかにすることを目的とした研究である. 最終年度となる平成25年度においては電池材料および液体等の実材料について研究を行った.まずMn系化合物のL2,3端の第一原理相対論多重項計算を系統的に行い解析精度を向上させた(JAP2013).さらに高容量リチウムイオン電池材料のin-situ Mn-L2,3端測定と計算により,同材料の酸化還元反応は酸素の電子構造が重要であることを明らかにした(APL2014). さらに,化学反応の場である「液体」についての研究も行った.液体を構成する分子の動的挙動を調べる既存の手法(IRやラマン等)は一般的に空間分解能が低い.EELSは空間分解能は高いがが,液体EELSの理論解釈法は確立されてない.そこで,分子間相互作用を正確に考慮することのできる新規な手法を開発し,液体からのスペクトルを計算することに成功した.さらに,同解析により分子の動的挙動がスペクトルに含まれることを明らかにした.この結果,EELSを用いた液体ナノ解析の可能性を示した(Sci. Rep. 2013,新聞報道). また,電池や触媒で用いられる非晶質材料や蓄電材料,原子層材料についての解析も行い,各種反応過程の理解を深めることができた(ACS Nano 2013, Sci. Rep. 2013新聞報道).さらに,本研究で得られた知見を広く社会に還元するため,教科書の分担執筆も行った.本研究期間中に3冊の教科書分担執筆に携わり,平成25年度においては特にELNES/XANESの理論計算の部分についての著書が発刊されている.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|