2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧環境下フラックス法開発による窒化炭素結晶合成
Project/Area Number |
22686061
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川村 史朗 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノスケール物質萌芽ラボ, 主任研究員 (80448092)
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Keywords | 窒化炭素 / 超高圧 / ベルト装置 / 新物質 / HIP / フラックス法 / 超硬質材 / 有機試薬 |
Research Abstract |
窒素の超高圧発生機構として、ベルト型高圧装置内に窒素ガス封止カプセルを導入し、カプセル内で高窒素含有の有機試薬あるいはアジ化物を熱分解させるという手法を開発した。本手法によって、2010年度中にHIP等の高圧ガス発生設備を使用することなく3,300気圧の窒素ガス圧を達成し、今後さらなる高圧窒素ガスの発生の展望を拓いた。 現在、HIPを用いた高圧ガスの発生は、安全基準の強化によって2,000気圧以上を発生可能な装置はほとんど無く、本手法の優位性は明らかである。 また、1500℃程度の高温下でも高圧ガスの発生を可能にするべく、セラミックス製の窒素ガス封止カプセルの開発も行った。アルミナカプセルを使用した場合、窒素ガス発生試薬の無い条件下において、約1,200℃でカプセルにクラックが発生することが判明した。アルミナに代わるセラミックカプセルとして、炭化タングステンを主成分とするバイダレス超硬質焼結体のカプセルを検討した結果、高い耐圧性を有することが確認された。 窒化炭素結晶合成に有効なフラックス剤の検討としては、ナトリウムのほかに、鉄、ニッケル、コバルトなどが有効である可能性が高いことが分かった。特に、ニッケルを用いた場合、1,500℃程度の融液中に炭素・窒素を適度に溶解可能なこと、後処理が容易であること、圧力に対して窒素量がリニアに増加すること、微量添加元素によって容易に窒素濃度を制御できることから、有望なフラックスとなり得ることが判明した。
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Research Products
(3 results)