2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧環境下フラックス法開発による窒化炭素結晶合成
Project/Area Number |
22686061
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川村 史朗 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主任研究員 (80448092)
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Keywords | 超高圧 / 窒化炭素 / フラックス法 |
Research Abstract |
既存のベルト型超高圧装置中に組み込み可能な高耐圧カプセルの開発を行った。 前年までニッケルの球形カプセルや高硬度鋼による耐圧カプセルの開発によって、カプセル内部に約3,000気圧までの高圧ガスを封入可能としていたが、新たに超硬合金製の耐圧カプセルを用いることによって、1万気圧までの超高圧ガスを封入可能とした さらに、超硬合金を用いたことで、温度耐性も飛躍的に向上し、約1,000℃以上でも約1万気圧の高圧に耐えることが可能となった。 本カプセル内部に坩堝と金属フラックスをセットし、金属フラックス中に超高圧窒素ガスを供給することで、窒化物合成実験を行った。 本研究目的である窒化炭素の合成と共に、類似化合物である新規の遷移金属窒化物の合成にも取り組んだ。 現在までに、フラックス中でこれら目的物質の合成には至っていないものの、フラックス探索において重要な知見を得ることが出来た。 Pb,Ni系が有力なフラックスの候補となり得ることが判明した。アルカリ金属などの低融点金属以外でもフラックスとして使用可能であることは、今後の研究において大きな進展と考えられる。特に、Niはダイヤモンド合成用のフラックス(触媒)として用いられており、炭素系の材料開発には有利である。 今後はNiや鉛等のフラックスに加えて、これらの合金系のフラックスも有用なフラックス探索の対象となり得る。 これまでは、高耐圧なカプセルの開発に力点を置いてきたが、今後は温度耐性と圧力耐性のバランスを検討しらがらのカプセル開発、及びフラックス探索を行う方向性を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的物質の合成には至っていないものの、合成手段として新規に開発することが必須の課題であった、高耐圧性カプセルの開発に成功しているため
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Strategy for Future Research Activity |
新規フラックス探索においては、思考錯誤的な実験を必要とするため、実験回数を増やす必要がある。したがって、既存のHIP装置も活用しながら、目的物質合成に最適なフラックス探索を進める
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Research Products
(2 results)