2011 Fiscal Year Annual Research Report
流動によるコロイド結晶の形状制御と新しい光機能性材料への応用
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22686063
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
金井 俊光 横浜国立大学, 工学研究院, 助教 (10442948)
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Keywords | 光機能材料 / コロイド結晶 / フォトニック結晶 / 高分子ゲル / マイクロ流体 |
Research Abstract |
本年度は、流動による高品質コロイドフォトニック結晶ファイバの作製と得られた結晶の光学特性評価を行った。まず中空ファイバを作製するための二重円筒状ガラスチューブを作製した。内径8mm、長さ10cmのガラス管内に、外径7.8mm、長さ10cmのガラス棒を入れ、径の中心が一致するように固定し、厚さ0.1mmの筒状の流路を作製した。この筒状のセルにエアーパルス流動システムを接続し、荷電コロイド結晶を流動させた。粒子濃度10%、粒径約200nmの単分散シリカ微粒子またはポリスチレン微粒子の水分散液を脱塩処理して得られる荷電コロイド結晶を用い、様々なパルス圧でセル内を流動させた。流動後の結晶の品質を透過スペクトル測定、反射スペクトル測定、コッセル線解析から評価、検討した。測定の結果、流速の増加とともに結晶の光学特性と粒子配列性が向上することが確認された。そして、ある一定流速以上ではスペクトル的に非常に優れた結晶になることがわかった。次に、中空ファイバ形状のコロイド結晶の粒子配列を、高分子ゲルを用いて固定することを試みた。コロイド結晶に水溶性のゲル化剤(モノマー、架橋剤、光重合開始剤)を溶解し、エアーパルス流動システムを用いて二重円筒状流路内で流動させた。その後、UV光を照射し光重合させることで、中空ファイバ形状にゲル固定した。ゲル化剤の濃度、光照射条件などの作製条件を最適化することにより、流動により得られた高品質な結晶状態をほぼ維持したままファイバ形状にゲル固定できた。得られたゲル固定コロイド結晶ファイバにおいて、溶媒を変えることによりゲルを収縮させることができ、コロイド結晶のブラッグ反射波長をチューニングすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的である流動による高品質コロイドフォトニック結晶ファイバの作製に成功しており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って本研究課題を推進する。来年度は最終年度であるため、本研究課題が完了するように、できる限り前倒しで研究を進めることを心掛ける。
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Research Products
(12 results)