2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22686067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 宗一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30431331)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 鋳造・凝固 / 鉄鋼材料 / 組織制御 / 包晶反応 / 微細化 / シミュレーション / 粒成長 |
Research Abstract |
本研究は、包晶反応で形成する凝固組織を積極的に制御することで、熱処理のみで包晶凝固鋼のオーステナイト(γ)粒組織を微細粒化することを目的としたものである。この目的達成のために、(a)Ti, Nb, V炭窒化物を利用した凝固組織微細化法の発展と、(b)微細凝固(鋳造)組織からの昇温過程で形成するγ粒組織の微細化条件の探索と微細化方法の発展を試みた。 まず、上記(a)の項目において、包晶凝固鋼の鋳片γ粒組織が不連続粒成長によって粗大化することを明らかにし、その粗大化防止の条件をシミュレーション及び理論から提案した。その粗大化防止条件とは、不連続粒成長の駆動力とバランスする大きさピン止め力を発生させる条件に相当する。その実証実験として0.1, 0.2, 0.45mass%炭素鋼を対象として、炭窒化物が溶鋼中に形成するようTi, Nb, Vを添加して鋳造実験を行い、実際に粗大γ粒の形成が防止され、微細な鋳造組織が形成することを確認した。 続いて、(b)の項目において、鋳造材をγ単相温度域に昇温した際のγ粒組織を調査した。炉冷鋳造材よりも金型鋳造材から昇温することで再加熱後のγ粒組織が微細化することが示された。これはミクロ偏析の微細分散化が関与しているものと考えられる。また、炭窒化物形成元素を添加することで凝固組織・再加熱後のγ粒組織がさらに微細化することが示された。例えば、0.45mass%炭素鋼にTiを0.15mass%添加した金型鋳造材においては、鋳造組織が10~20ミクロン程度の等軸γ粒からなり、その後、マルテンサイト変態させた後に再加熱処理を行うことで平均粒径が1ミクロン程度の微細γ粒組織が形成することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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