2010 Fiscal Year Annual Research Report
粒子アセンブリ法によるフォトニック結晶テラヘルツレーザの創製
Project/Area Number |
22686068
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 健太 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (00400284)
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Keywords | フォトニック結晶 / テラヘルツ材料・素子 / 粒子アセンブリ |
Research Abstract |
粒子アセンブリ法を用いた発振素子内包型フォトニック結晶の作製によるテラヘルツレーザの創製を目的とし,目的結晶の前駆結晶となる欠陥導入型フォトニック結晶を作製するとともに,発振素子の結晶内への埋込みが可能な新規粒子配列装置の設計・製作を目指した。まず,高いQ値を発現するフォトニック結晶の作製に必要と考えられる高精度な球形粒子のため,独自アトマイズ法(POEM法)によるポリエチレン(PE)球形単分散粒子の作製を試みた。しかし,PEの低表面張力のため単分散粒子の形成が安定せず,本技術の確立には長期を要すると判断したことから,暫定的にオイルバス法による粒子作製を採用した。この粒子の直径精度はそれほど高くないが,直径400±10μm粒子を既存配列法によりダイヤモンド格子フォトニック結晶にアセンブリができた。加えて,点欠陥を含む欠陥導入型結晶も作製できた。この欠陥に発振素子を埋め込むことにより目的構造が作製できるものと期待できる。ただし400μm粒子の場合,フォトニックバンドギャップは0.25THz付近に発現し,GaP発振素子の発振下限周波数より低い。従ってバンドギャップの高周波数化が必要であり,数値解析の結果からこの発振下限周波数を満たすには200μm以下の小径粒子のアセンブリが必要あることが分かった。そこで,既存法により200μm径粒子のアセンブリを行ったところ,ダイヤモンド格子結晶作製に成功した。しかし,粒子間接合に用いたレーザの焦点径が大きいため,アセンブリ中で粒子変形が過剰となり,安定的な結晶作製が困難であることが判明した。従って,新規の粒子配列装置を小焦点径の接合レーザの導入を加えて再設計し,現在その製作を行っている。一方で,PE粒子をアセンブリした結晶をスリップキャスト法によりセラミック反転結晶とする技術も付加的に開発し,結晶格子の高誘電率化の可能性も見出した。
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