2011 Fiscal Year Annual Research Report
粒子アセンブリ法によるフォトニック結晶テラヘルツレーザの創製
Project/Area Number |
22686068
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 健太 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (00400284)
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Keywords | フォトニック結晶 / テラヘルツ材料・素子 / 粒子アセンブリ |
Research Abstract |
粒子アセンブリ法を用いた発振素子内包型フォトニック結晶の作製によるテラヘルツレーザの創製を目的とし,本年度は発振素子の結晶内への埋込みが可能な新規粒子配列システムの設計・製作を目指した。昨年度の研究において,フォトニック結晶のバンドギャップ周波数がGaP素子の発振下限周波数を超えるためには,結晶格子となる粒子の粒径が従来より小径(200μm以下)とする必要であることが判明したことから,小径粒子の3次元アセンブリが可能な配列システムの設計・製作を実施した。この配列システムには,小径粒子の過剰溶解変形を抑制して粒子間を微小レーザ溶接するため,焦点径が既存の半分以下の約20μmに集光できるファイバーレーザを製作し導入した。また,小径粒子を高精度に配列するため,粒子形状および直径をin-situで測定し,マニピュレータ動作に反映させるための高解像度画像解析システムも導入されている。このマニピュレータは,高精度3次元ステージにより1μmの精度で動作できる。加えて,結晶格子構成する粒子および発振素子の2種類を配列するための2つの粒子供給機およびマニピュレータが設置できる構成となっている。これまでに,上記構成部を合わせたシステムの組立が完了している。一方で,発振素子となるGaP球形粒子の作製を,保有技術であるPOEM法により試みた。結果として球形粒子は形成されたが,その組成は大幅なGaリッチであり,発振素子として用いることは困難であった。これは,POEM法におけるGaPの溶解時にPが大量に揮発したためである。従って,POEM法によるGaP粒子の作製にはB_2O_3を使用した液体封止法を利用するなどの対策が必要がある。また,数値シミュレーションを用いて,欠陥含有結晶のバンドギャップ中に欠陥モードを発現することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度までに当初計画である以下の研究を実施できた:本研究の基盤技術となる配列システムの組立,および格子粒子の作製,および数値計算による欠陥導入型結晶の解析。但し,小径粒子のアセンブリに向けた配列システムの大幅な設計の見直しに時間を有し,研究計画にある結晶作製までは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
フォトニック結晶を構成する粒子の高精度作製法としてPOEM法を計画していたが,技術確立に時間を要すると判断したため,既存技術(オイルバス法・オスカー式研磨法)を活用して粒子作製を実施し,効率的な研究実施を行う。
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