2011 Fiscal Year Annual Research Report
準安定組織の溶解による相変態を利用した機能組織制御
Project/Area Number |
22686070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳楽 知也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00379124)
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Keywords | 過程融液 / 準安定共晶 / セラミックス / 相変態 |
Research Abstract |
過冷融液形成を伴う準安定組織から平衡組織への相変態を利用したプロセスの学術的理解の構築を行うために準安定組織から平衡組織への相変態過程の時間分解でのその場観察を試みた。硬X線単色光が得られる放射光施設SPring-8において、スポット集光型赤外線ゴールドイメージ炉およびハイスピードカメラを使用して1700℃付近で起こる準安定共晶組織からの変態過程をその場観察できる装置を開発した。試料の厚さ200μm、炉の加熱速度5.4K/s、X線エネルギー22KeV、ピクセルサイズ5.2μm、フレーム速度125fpsにおいて実験を行った。準安定組織から平衡組織への相変態する際に約10%の体積膨張が起きるため、結晶がひずむことによりブラッグの反射条件を満たす回折面が移動する。X線透過像において黒い領域(ブラッグ反射を満たしてX線が回折された領域)が移動する現象が観察でき、相変態が観察可能であることが示唆された。 過冷融液形成を伴う準安定組織から平衡組織への相変態を利用して機能組織制御手法の開発を行う目的で初晶のなり均一な準安定組織が得られる組成範囲を調べた。準安定共晶組成23.5mol%Y_2O_3よりAl_2O_3リッチ側の18.5mol%,19.5mol%およびY_2O_3リッチ側の24.5mol%,25.5mol%,26.5mol%において冷却速度を変化させて実験を行った。Al_2O_3リッチ側では19.5mol%,Y_2O_3側では25.5mol%の組成において初晶のない準安定共晶組織が得られた。これらの試料を加熱したところ、準安定組織が再溶解し、平衡組織が得られることが明らかとなった。冷却速度を400K/sと大きくした場合、準安定組織が形成することなく、ガラス化することが明らかとなった。
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