2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波によって内部構造をデザインした二元金属ナノ粒子の電子構造と触媒活性
Project/Area Number |
22686074
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水越 克彰 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60342523)
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Keywords | 合金ナノ粒子 / コア・シェル構造 / 触媒活性 / シナジー効果 / 超音波化学 |
Research Abstract |
超音波還元法を用いると、金/パラジウムナノ粒子を二酸化チタン粒子表面に担持することができた。これらナノ粒子は金コアおよびパラジウムシェルより構成され、コア・シェル化することで、単元ナノ粒子よりも微小化し、さらに粒径の分布も狭くなった。また例えば金75%、パラジウム25%のモル比で作成した試料の場合、パラジウムのシェルは計算上原子2-3層程度と薄く、高分解能透過型電子顕微鏡および元素マッピングでもシェルを確認できなかったが、新設した真空加熱型拡散半反射測定装置を用い、表面に吸着した一酸化炭素を定量したところ、ナノ粒子の表面はパラジウムで一様に被覆されていることが分かった。 種々の金・パラジウム組成のナノ粒子を担持した二酸化チタンの触媒活性(暗反応)、光触媒活性を系統的に調査・比較したところ、コア・シェル構造に起因する触媒活性へのシナジー効果が確認でき、光触媒反応よりも暗反応の方が顕著であった。さらに反応基質と接触するパラジウムの表面積で触媒活性を規格化すると、上述の薄いパラジウムシェルを被覆した試料の活性が、純パラジウムや他の合金組成の担持触媒よりも大きくなることが確認できた。このことは、金あるいは二酸化チタンと接合することで、上述のパラジウム薄シェルの電子構造が変化することを示唆する。 X線光電子分光法やあるいはフラッシュフォトリシスといった手法で、コア・シェル粒子を構成する金属の定常的あるいは光照射時の過渡的な電子構造の変化について調査が必要どの結論に至った。
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Research Products
(5 results)