2011 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光応答四重極共鳴局在表面プラズモンセンシングプレートの開発
Project/Area Number |
22686076
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
是津 信行 名古屋大学, グリーンモビリティ連携研究センター, 准教授 (10432519)
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Keywords | ナノ粒子 / 表面プラズモン / 自己組織化 / バイオセンサー / プラズマ加工 |
Research Abstract |
1.ナノフィッシュボウルアレイの光学特性の解析とアルツハイマー病バイオマーカーの高感度検出 イオン液体超薄膜エッチングマスクとして用いることにより、上に凸の円錐型PS@Auナノシェルアレイの作製に世界で初めて成功した。790nm付近を中心とした近赤外光に対して応答することを紫外近赤外吸収分光法より明らかにした。また、周囲屈折率変化に対する共鳴周波数のシフトを調べた結果、510nm RIU^<-1>が得られた。ナノシェル構造に非対称性を導入することにより、感度が2倍以上向上することがわかった。 2.チャンバーフリープロセスによるPS@Auナノフィッシュボウルの作製と粒子表面の金属化 ナノ粒子単層膜成膜から、ナノ粒子表面の金属化まで一貫した、チャンバーフリープロセス装置の設計・試作を開始した。具体的には、プラズマを要する表面改質加工プロセスについては、高圧直流パルス電源、回転電極の導入による大気開放下における空気プラズマの利用によりバインダー層の表面改質、ナノ粒子の加工に成功した。従来の真空蒸着によりナノ粒子の金属化をおこない作製したナノシェルアレイにおいて、従来とほぼ同等の感度を有するセンサーが得られた。 ナノ粒子表面の金属化について、無電解めっきプロセスによる検討を進めた。これまでに実績のある無電解銅めっきをナノ粒子表面の金属化プロセスの転用を図った。プラズマ下で金属イオンの還元を行う際に、プラズマの強度により無電解銅めっき反応が二次元的または三次元的に進行することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
液相からのナノ粒子の自己組織化プロセスと大気圧プラズマによるナノ加工を組み合わせることにより、高い対称性を有する構造から非対称性を有するプラズモニックナノシェルアレイの作り分けに成功し、その感度も世界トップレベルに到達していることから、おおむね実験計画書に記載した内容通り順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね計画通り順調に進展していることから、今後においても計画書記載内容通り進める。また、プロセス装置作製にあたり権利化の作業を進めるとともに、ナノシェル構造と実験的に得られたプラズモニック特性の関連性をベースに、理論計算による予測を用いて、より高感度のナノシェルアレイの作製をおこなう。
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