2010 Fiscal Year Annual Research Report
光学CTマイクロフォンを用いた超音速ジェット騒音の3次元高解像音源探査
Project/Area Number |
22686078
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荒木 幹也 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70344926)
|
Keywords | ジェット騒音 / 音源探査 / 非接触計測 / CT / シュリーレン |
Research Abstract |
超音速ジェット騒音低減のため,これまで数多くの手法が開発されてきた.その開発において,「音源」の「位置」と「規模」を正確に把握することが必須の課題である.しかしながら「流れの中」にある音源の探査は容易ではない.従来のマイクロフォンを流れに挿入するだけでは,流れを乱し新たな騒音を発生してしまうことになるためである.そこで本研究では,「音」の計測に「光」を用いる.「音」は圧力の変動であり,場の密度も同時に変動する.この密度変動を,光の屈折により検出する.ただし,ここで得られる情報は音響場を透過してきた信号であり,光路上の全ての変化の積分値が計測される.その内部構造は不明のままである.ここにさらに,医療分野で多用される「CT技術」を融合することで,ジェット騒音源を「高空間分解能」で「非接触」に「3次元断層可視化」する「光学CTマイクロフォン」開発を目論む.これまで本手法は軸対称場しか計測できないという根本的問題を抱えていた.これは,ハード上の問題(光学系が回転できない)ならびにソフト上の問題(計算アルゴリズムの非軸対称化が実現できていない)両面に起因するものである.実際の低騒音ノズルの多くは複雑な3次元形状を有しており,現状のままではその騒音低減メカニズムを可視化できない.平成22年度は,非軸対称音響場の可視化を目論み,超音速ジェットエンジンで研究が進められているエアロスパイクノズルを供試した.異なる角度からレザビームを透過する機構を採用し,また非軸対称場の内部構造を再構成する多変数問題アルゴリズムを開発した.解析可能な空間分解能が限られるなど不十分な点も残されているが,非軸対称音響場の断層像再構成の可能性を示すことができた.また,高速2次元フォトセンサアレイを採用し,そのグラウンドノイズレベルのキャンセル法,背景光の均質化のための様々なノウハウを確立した.
|
Research Products
(1 results)