2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温気流中の絶対原子数密度測定法の開発および内部非平衡状態の解明
Project/Area Number |
22686079
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松井 信 静岡大学, 工学部, 助教 (90547100)
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Keywords | 航空宇宙工学 / プラズマ分光学 / レーザー分光 / 原子数密度測定 / 真空紫外分光 |
Research Abstract |
本研究の目的は"原子の絶対数密度"を"その場(In-situ)測定"できる新しい計測システムを開発することである.そのためにはまず,測定ガスを用いた小型プラズマ源により基底原子の共鳴ラインを用いた真空紫外ビームを生成し,対象原子を吸収飽和させる.次にこの飽和した励起準位に対して可視域の半導体レーザーを用いたレーザー吸収分光法を適用し,吸収飽和理論を用いてビーム交差点での基底準位数密度を決定する. 本年度はまず実験装置の基盤整備として検証用試験チャンバの設計,制作及び排気系(油回転ポンプ,メカニカルブースター),冷却水系を導入した.次に本研究のカギを握る初段励起用高強度VUVビーム源として周波数13.56MHzの電源を用いて誘導結合プラズマ装置を作成した.作動ガスとしてキセノンを用いて,本装置により生成したプラズマからの発光を新たに購入した真空紫外分光器で検出したところ,基底への共鳴ラインである147nmのスペクトルを確認することができた.そこで試験チャンバ内に室温のキセノンを流し,初段目の真空紫外吸収分光を行った.その結果,吸収分光により得られた数密度は状態方程式から推定される数密度と良い一致を示した.今後,初段目により励起されたキセノン原子に対してレーザー吸収分光法を適用する予定である.
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