2012 Fiscal Year Annual Research Report
損傷船舶の波浪中動揺シミュレーション開発と高度損傷時復原性評価法の構築
Project/Area Number |
22686081
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 博公 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30397731)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 損傷時復原性 / 浸水 / 粒子法 / MPS法 / ストリップ法 / 時間領域シミュレーション / 残存性 / 動的影響 |
Research Abstract |
損傷船舶の波浪中復原性評価のため、昨年度までに構築したMPS法による損傷部に働く流体力推定とストリップ法による非損傷部に働く流体力推定を組み合わせた損傷船舶の浸水時動揺シミュレーション手法に、新たに波強制力推定を組み込んだ。具体的には、損傷部では造波境界条件を用いたMPS法により、時々刻々の船体姿勢に対する波強制力を圧力場から計算する。非損傷部ではフルードクリロフ力とSTF法により求めたディフラクション力の和として波強制力を計算する。両計算領域間の干渉は無視できると仮定して、両者の和を損傷船舶全体に働く流体力とみなし、この流体力を用いて船体運動方程式を時間領域で解くことで、損傷船舶の波浪中動揺シミュレーションが可能となる。なお、MPS計算に造波境界を組み込むことで、数値水槽サイズの増大による粒子数の膨大な増加を抑えることができた。また、造波境界を用いることで、左右の境界位置での波の位相が得られるので、これと船体運動から各タイムステップにおける船体重心の波に対する相対位置が得られる。この相対位置を非損傷部の波強制力を計算するSTF法に引き渡すことにより、MPS法とストリップ法における波と船との位相関係を一致させることができる。 今回構築した数値シミュレーション手法の妥当性を検証するため、損傷区画を有する自動車専用運搬船の模型を用いた規則横波中の動揺計測を行い、計算結果との比較を行った。その結果、構築したシミュレーション手法は、損傷船舶の横波中非線形横揺れや損傷区画内部への浸水状況を高精度に予測可能であることを確認した。本シミュレーション手法を用いることで、現在の損傷時復原性規則では無視されている浸水滞留水の動的影響までを考慮した復原性評価が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)