2010 Fiscal Year Annual Research Report
海面で反射した測位衛星電波によるバイスタティック合成開口レーダーの開発
Project/Area Number |
22686083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老沼 拓史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (40456314)
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Keywords | リモートセンシング / 合成開口レーダー / GPS / 衛星測位 |
Research Abstract |
本研究では,海面で反射したGPS信号を利用したパッシブな合成開口レーダーによるイメージングセンサの開発を目的としている.22年度は,合成開口レーダーのシステム設計を実施し,目標とする画像の解像度,受信信号のリンクバジェット,観測プラットフォームの速度などの検討を行った.これにより,高度2kmからの無人航空機による観測で,8エレメントからなるアレーアンテナを用いることで,75cmの解像度が得られるという解析結果が得られた,この結果をもとに,23年度は航空機実験に向けた搭載アンテナの設計・製造を実施する.信号処理アルゴリズムの検討では,従来のチャープ変調のような短時間のパルス信号とは異なり,連続したPNコードによってスペクトル拡散されたGPS信号を処理するためには,データ量や処理時間が特に問題となることが判明した.23年度は,画像データ生成のためのアルゴリズムの開発と並行して,信号処理の効率化についての検討も行う.GPS反射波観測のためのフロントエンドの開発では,汎用的なLバンド受信ICを用いて,近代化GPSおよび準天頂衛星から送信されている新しい民生信号であるL5信号の受信に成功した.L5信号は従来の民生信号であるL1C/A信号の10倍の帯域を持ち,高精度な観測値を得ることができる.さらに受信特性のよいフロントエンドを開発するために,CMOSによる専用フロンドエンドICの設計および試作を進めている.22年度には,ミキサやPLLなどの要素部品の試作と評価を実施した.この結果をもとに,23年度にはL5信号に対応したフロントエンドICの設計を行う.
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Research Products
(3 results)