2011 Fiscal Year Annual Research Report
海面で反射した測位衛星電波によるバイスタティック合成開口レーダーの開発
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22686083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老沼 拓史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (40456314)
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Keywords | リモートセンシング / 合成開口レーダー / GPS / 衛星測位 |
Research Abstract |
本研究では,海面で反射したGPS信号を利用したパッシブな合成開口レーダーによるイメージングセンサの開発を目的としている.今年度は,反射信号を数値的に模擬するシミュレータを作成し,解析アルゴリズムの動作確認を実施した,このシミュレータで生成された受信データを処理することで,合成開口レーダーの信号処理で重要となるレンジ圧縮が正常に行われることが確認された.さらに,昨年度に作成したLバンドフロントエンドによって取得した受信データも,L1,L2,L5バンドのすべてのGPS信号周波数帯において,解析ソフトウェアに正常に取り込むことができることを確認した.来年度は,無人航空機によるデータ取得を目指し,まずは地上での実験により実データの合成開口処理の動作の確認を行う.地上実験では,受信機側を移動させ合成開口を実現することが難しいため,GPS衛星側の運動を利用した逆合成開口レーダーの手法を用いる.反射波受信用のアレーアンテナは,これまでの設計ではL5信号を受信するために充分な帯域を確保できないことが判明した.そのため,今年度は広帯域化を目標とした新たなアンテナを設計し,単体での特性を確認した.来年度は,無人航空機に搭載するために,このアンテナのアレー化を実施する.反射波受信用のRFフロントエンドの開発は,昨年度に試作および評価を実施した要素部品を統合し,専用フロントエンドICの設計,製造を行った.来年度は,このフロントエンドICの特性評価と共に,周辺回路を含めた評価基板を作成し,反射波の観測と取得されたデータの解析を実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GPS反射波を用いた合成開口レーダーのアルゴリズムは,数値シミュレーションによって確認された.反射波受信用のフロントエンドの動作も確認され,予定通りに実信号による観測実験に進むことができる.
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Strategy for Future Research Activity |
実信号による合成開口レーダーの実験では,受信機がある程度の速度で移動している必要があるため,無人航空機による観測を予定している.しかし,実験機器やアンテナを搭載した無人航空機が大型になるため,フライトの機会が確保できない可能性もある.その対策として,地上実験により合成開口レーダーが実現できるように,GPS衛星の運動を利用した逆合成開口レーダーを応用した実験を計画中である.
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