2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ磁気パラメータを用いた圧力容器鋼の非接触・非破壊照射脆化評価技術の確立
Project/Area Number |
22686087
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菊池 弘昭 岩手大学, 工学部, 准教授 (30344617)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 磁気 / 非接触 / 非破壊評価 / 照射脆化 |
Research Abstract |
本年度は圧延材に対して複数の磁気パラメータを非接触で計測し、磁気的非接触・非破壊評価技術の有用性を検討した。引き続いてそれらの手法を用いて照射材の計測を行った。以下、その成果をまとめる。 1.冷間圧延した低炭素鋼を用いて、試料と磁気ヨークの空隙幅を変化させた場合について磁気的非接触・非破壊評価技術の検討を行った。パラメータとしてヒステリシスループから得られる保磁力、インピーダンス計測から得られる透磁率変化を用いた。空隙幅の増加とともに各パラメータの信号変化量は減衰するが、空隙幅を制御すれば、非接触の計測を用いても各磁気パラメータが圧延率の変化と相関を持つことを明らかにした。また、複素透磁率と磁気回路解析に基づいた理論式を用いて定性的かつ定量的にこれら非接触磁気計測におけるパラメータ変化の振る舞いを説明することを可能した。 2.磁気ヨークと試料から構成される回路において磁界印加時の試料の変位をレーザー変位計を用いて計測し、その振る舞いを実験的に明らかにした。変位が最大になるときの磁界強度がヒステリシスループにおける保磁力と対応しており、非接触磁気計測の有効なパラメータであることが示された。 3.非接触型の計測手法を用いて、照射材の磁気計測を行った。照射脆化模擬材として未圧延あるいは圧延した純鉄及びFe-Cu合金を用いた。圧延材においては照射によりパラメータの増減が見られ、磁気特性の軟化が示された。未圧延材においては、純鉄で顕著な変化は観測されなかったが、Fe-Cu合金では、一部のパラメータにおいて銅析出を反映した信号変化が見られた。 以上、原子炉圧力容器の磁気的非接触・非破壊評価に適用可能な計測技術についてその有用性を示すことができた。ただし、実用化のためには、より詳細な脆化メカニズムの解明とそれらに基づいた脆化評価式の構築が課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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