2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22687003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 忍 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40456992)
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Keywords | 細胞分化 / 胚 / パターン形成 / 植物 / シロイヌナズナ / 転写 / 位置情報 |
Research Abstract |
1. ATML1転写因子の核局在が位置に応じて異なる制御を受けているかどうかを調べるために、二成分転写誘導系やエストラジオール誘導系を利用して、胚全体でGFP-ATML1融合タンパク質の発現を誘導する実験をおこなった。その結果、GFP-ATML1シグナルは、外側の細胞層では核に局在したのに対し、中心柱の細胞では、明確な核局在を示さず、細胞質でもGFPシグナルが観察された。 2. また、ATML1の核局在制御に関わるドメインを明らかにするために、lipid/sterol結合ドメイン(START)や二量体形成ドメイン(ZLZ)を欠失したATML1をGFPとの融合タンパク質を発現するコンストラクトを作製した。 3. ATML1が表皮特異的な遺伝子の発現に与える影響を調べるために、ATML1の過剰発現体で発現解析をおこなった。定量的なRT-PCR解析の結果、表皮特異的な複数の遺伝子発現が上昇していることが分かった。また、ATML1のプロモーター活性やクチクラ合成に関わるFDH遺伝子のmRNAが芽生えの内側の細胞でも異所的に検出された。一方、葉肉細胞のマーカーであるSTOMAGEN-GUSの発現が内側の細胞層でで低下していた。 4. 初期胚で細胞の運命を調べるマーカーラインの確立もすすめた。昨年度中に作製した最外層(GFP)、内層(RFP)、胚柄(CFP)を同時に可視化する形質転換体をさらに選抜して発現量の高い株を2系統確立した。また、CFPの変わりにSiriusを用いた系統の選抜もおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究目標はおおむね達成できており、技術的な問題点も克服できた。また、4回の学会発表をおこない、研究成果の一部を報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ATML1の発現パターンを決める上流因子の単離と、発現パターンの決定におけるオートレギュレーションの役割の解明に集中して研究を進め、平成24年度中までに二報の論文を公表する予定である。
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Research Products
(5 results)