2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22687003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 忍 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40456992)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 細胞分化 / 胚 / パターン形成 / シロイヌナズナ / 転写 / 位置情報 / 植物 |
Research Abstract |
(1) [ATML1プロモーターの296bpの領域に作用する位置情報の解明] 296bp領域に存在する二つのDREB結合配列(DRE)に変異を導入し、GFPレポーターの発現パターンを調べたところ、表皮特異的な発現パターンは変化しなかった。このことから、ATML1のプロモーター活性の調節にはDREB/DREが関与していないことが示された。 (2) [ATML1の過剰発現による細胞分化の影響を調べる] ATML1の過剰発現では、葉の内側の組織で表皮特異的な遺伝子が異所的に発現することが前年度までの研究で明らかになっている。本年度は、トライコームや孔辺細胞の運命を可視化するマーカー系統を用いて過剰発現体の葉の内部組織を詳細に観察した。その結果、ATML1の過剰発現体では、葉の内側の組織に孔辺細胞やトライコームのidentityを持つ細胞が作られることがわかった。また、異所的に作られた孔辺母細胞は間隙などの「表面」に沿った方向に分裂(垂層分裂)する傾向が強いことが示された。これらの性質は表皮細胞に特徴的なものであり、ATML1が表皮分化のマスター遺伝子であることを強く支持する結果となった。 (3)[初期胚が異常となった変異体の網羅的なスクリーニング] 初期胚が異常となった変異体を解析するために、細胞運命を可視化するマーカーラインを選抜した胚致死性変異体と交配し、F1植物を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究目標はおおむね達成できている。5回の学会発表をおこない、研究成果の一部を論文として投稿し、2013年2月25日に受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ATML1が直接自身の発現を調節していることをクロマチン免疫沈降法などを用いて確かめるとともに、ATML1の発現パターンを決める上流因子の同定をすすめる。
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Research Products
(7 results)