2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質間相互作用によるエピジェネティクス制御機構の構造生物学的基盤
Project/Area Number |
22687008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有田 恭平 京都大学, 工学研究科, 助教 (40549648)
|
Keywords | 構造生物学 / X線結晶構造解析 / エピジェネティクス / タンパク質相互作用 |
Research Abstract |
DNAのメチル化やヒストンの翻訳後修飾はエピジェネティクスな現象の主要な因子であり、真核生物の発生や細胞分化、遺伝子発現の制御に極めて重要な働きをしている。本研究ではDNAメチル化の維持とヒストン認識に関与するUHRF1タンパク質に焦点をあてる。UHRF1とエピジェネティクス関連因子の複合体のX線結晶構造解析を主体とした構造生物学的な観点からエピジェネティクスな現象の制御機構を明らかにするために下記の研究を行った。 1,維持型DNAメチル化酵素Dnmt1との複合体構造解析 Dnmt1とUHRF1の結合領域の最適化を分析ゲルろ過カラムを用いて行い、これまでに報告されていない新規の相互作用領域の候補を見出した。また調製した複合体を用いて結晶化を行ったが、今のところ結晶は得られていない。今後は今年度発見した新規の結合領域の情報を加味して、結晶化行っていく。 2,UHRF1のリン酸化酵素Plk1との複合体構造解析 報告されている文献に従いUHRF1のリン酸化Ser287を含むペプチドとPlk1のpolo-like domainとの複合体の結晶化を行ったが、複合体の結晶は得られなかった。また、等温滴定型カロリメトリーでUHRF1リン酸化Ser287とPlkの結合を測定したが確認できなかった。今後、さらなる結合領域の最適化と翻訳後修飾との関連を調べて行く必要がある。る。 3,ヒストン修飾酵素JMJD6との複合体構造解析 JMJD6の大腸菌での発現系を構築し、結晶化に向けて精製を行った。共同研究者が発見した基質との複合体結晶を調製したが、今のところ結晶は得られていない。精製の過程でJMJD6が非特異に凝集している可能性があり、今後精製条件のさらなる検討を要する。
|
Research Products
(4 results)