2012 Fiscal Year Annual Research Report
時を生み出すタンパク質KaiCにおけるATPase自己抑制・温度補償機構
Project/Area Number |
22687010
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
秋山 修志 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 教授 (50391842)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生物時計 / シアノバクテリア / X線小角散乱 / 蛋白質 |
Research Abstract |
シアノバクテリアの生物時計の発振周期は、その時計タンパク質KaiCのATPase活性により規定される。KaiCのATPase活性は温度依存性が極めて小さく(温度補償性)、これは生物時計と名のつくものに必ず備わっている性質の1つである。本課題の目的は、生物物理学的研究(X線小角散乱、赤外、蛍光)や構造生物学的研究(X線結晶構造解析)を推し進め、時計タンパク質KaiCに織り込まれた「温度補償性を実現する仕組み」を探し出し、「24時間を生み出すからくり」を解き明かすことである。 平成24年度はKaiCの高分解能構造解明に取り組んだ.前年度の段階で構造解析の基礎的な部分について目途が立っていたが,一部再現性に乏しいデータが見受けられ,それらについて詳細を詰めるのに相応の時間を要してしまった.本課題は本年度で終了となってしまうが,構造解析については引き続き研究活動を継続して成果を取りまとめる. KaiC単量体から6量体が再構成される過程については、その生化学的・物理化学的解析が終了した.我々の作業仮説とほぼ合致する良好な結果が得られている.この研究サブテーマについては論文投稿中であり,次年度中にはその成果をまとめられると期待している. 時計タンパク質の計測に特化した時間分解赤外吸収装置については,MCT検出器を概日時間で安定化するための装置開発を行った.予想以上に装置の設計に時間がかかり,その性能評価と継続的な運転は次年度以降への持越しとなってしまった.これを安定に運用し,良質の赤外吸収データが自動計測できるよう検討を続ける. 興味深い変異体の設計に成功したこともあって,蛍光分光法を用いた時計タンパク質の動的構造変化のトラッキングについては大きな進捗があった.これまでの蓄積データとあわせて論文投稿する準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)