2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22687018
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
重信 秀治 基礎生物学研究所, 生物機能解析センター, 特任准教授 (30399555)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 共生 / 次世代シーケンサー / RNA-seq / アブラムシ / Buchnera / 根粒菌 |
Research Abstract |
「共生」は生物が新規機能を獲得する上で重要な役割を果たしているが、その新規性創出の遺伝子基盤はほとんどわかっていない。本研究では、昆虫=微生物の共生系、特にアブラムシとその細胞内共生細菌Buchneraの絶対共生系をモデルに、新規性創出のキーとなる分子を同定することが目的である。 本年度は、新規性創出のキーとなる分子として、新規分泌たんぱく質BCRを同定し論文発表することができた (Shigenobu & Stern, 2013, Proc Roy Soc B)。次世代シークエンサーを使った共生器官のトランスクリプトーム解析により共生器官に選択的に発現する遺伝子を探索し、アブラムシ特異的な新規分泌タンパク質ファミリーを発見し、それらのmRNAが共生器官特異的に発現することを明らかにした。これらは、100アミノ酸残基以下の短いペプチドをコードし、分泌シグナルをN末に持ち、C末側にシステインを6個もしくは8個持つ特徴的な一次構造持っており、BCR遺伝子群と命名した。 さらに、BCR遺伝子の機能解析に向けてBCR リコンビナントタンパク質の発現と精製を試みた。試行錯誤の上、酵母の大量発現系を利用することにより、いくつかのBCRの発現と精製に成功した。1つのBCRについてはこれを抗原に抗体を作成した。またあるBCRを大腸菌に添加したところ細胞膜の透過性を変化させる活性があることが明らかになった。 システインリッチ分泌ペプチドは動植物に広く見られ、コミュニケーションや異種間相互作用に関わっている。例えばマメ科植物タルウマゴヤシの根粒の内部では400以上のシステインリッチ短ペプチドが組織特異的に発現し、これらの一部は共生細菌の内部まで運ばれて共生の確立と維持に必要である。アブラムシの共生系でも同様な共生システムの制御がBCRを介して成されているのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)