2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22687024
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
恒次 祐子 独立行政法人森林総合研究所, 構造利用研究領域, 主任研究員 (00360397)
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Keywords | 嗅覚刺激 / 全身的協関 / cardiac pattern / vascular pattern / Volume clamp法 |
Research Abstract |
20代の男子大学生20名を被験者として嗅覚刺激実験を実施した。刺激は樹木のにおい成分であるα-ピネン,リモネンとした。測定指標は収縮期血圧,拡張期血圧,平均動脈圧(MAP),心拍数,心拍出量(CO),総末梢抵抗(TPR),1回拍出量とした。被験者には椅座位にて安静を取らせ,その後3分間の嗅覚刺激を行った。MAPと,MAPに影響を与えるCOとTPRとの相関について解析を実施した。また昨年度に課題として残っていた循環系協関反応のタイプに関する再現性を検討した。 今年度の実験において見出された循環系協関反応のパターンはMAPとの相関が(1)CO正/TPR負,(2)CO負/TPR正,(3)CO正/TPR正,(4)CO無/TPR正,(5)CO正/TPR無,(6)CO無/TPR無という6種類であった。それぞれの出現率は10%,2.5%,12.5%,30%,35%,10%であった。精神性ストレス負荷を目的として嗅覚刺激中にPC課題を実施した昨年度の実験で(2)が83%,(4)が17%であったことと比較してより多様な協関反応が認められた。これは本年度の実験においては「快適な」嗅覚刺激を用いており,MAP自体が上昇したケースと低下したケースがあったことと関係していると考えられる。ただし,MAPの変化の方向と(1)~(6)のパターンとの関係は認められなかった。 協関反応のタイプの再現性については,昨年度の測定では89.8%であったのに対し,今年度の測定では30%と低くなっていた。これもストレス状態を想定した昨年度の実験条件に対し,今年度は「快適な」においを用いたためである可能性がある。 以上より本研究においては既往研究でストレス負荷時に認められた協関反応の個人の「タイプ」は非ストレス時には認められない可能性があると考えられた。同一個人におけるMAP低下時にCOとTPRが別のパターンを示していることもあり,当初の予想とは異なるが,新しい現象が見出されたと考える。
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Research Products
(1 results)