2010 Fiscal Year Annual Research Report
光エネルギー駆動型の物質生産能を有する複合微生物系の創成
Project/Area Number |
22688006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
春田 伸 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (50359642)
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Keywords | 微生物 / 生態学 / バイオテクノロジー / 光エネルギー / 光合成 |
Research Abstract |
45~65℃の温泉水中に発達している微生物集塊から、本研究の主軸となるシアノバクテリア(Synechococcus sp.)の純粋培養に成功した。同時に好気従属栄養条件で生育する細菌を探索・分離した。16S rRNA遺伝子の配列を解析から、それらはGeobacillus属細菌、Meiothermus属細菌と考えられた。さらに微生物集塊を栄養源とする培地を作成し分離培養したところ、Bacillus属細菌が得られた。いずれの分離株も菌体外酵素としてプロテアーゼを生産した。また糖類を主要炭素源とする培地から嫌気条件で培養しFervidobacterium属の発酵性細菌を分離した。本株は発酵条件で水素を発生することが確認された。以上のように複合微生物系による物質生産システムの構築に向けて、多くの構成種を獲得し、その性質の解析が進んだ。 一方で、温泉から採取した微生物集塊の集積培養を進めた。これまでの解析でシアノバクテリアの存在する温泉微生物集塊からメタン生成アーキアは検出されていなかったが、暗条件下で嫌気的に培養すると、水素だけでなくメタンガスの発生が確認された。本集積系は、適当な炭素源を添加することによって安定にメタンを生成した。さらに、温泉水中に発達する微生物集塊の構造を維持したまま保持できる培養槽を試作した。本装置を用いて光照射条件で培養すると、シアノバクテリアによる酸素ガスの発生とともに、水素およびメタンの生成活性を発揮させることができた。
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Research Products
(3 results)