2012 Fiscal Year Annual Research Report
光エネルギー駆動型の物質生産能を有する複合微生物系の創成
Project/Area Number |
22688006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
春田 伸 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (50359642)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 微生物 / 生態学 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
温泉地から採取した微生物集塊(微生物マット)を代謝機能に注目して集積培養し、55℃で光照射依存的に二酸化炭素からメタンガスを生成する複合系を構築することができた。培養液の菌相解析の結果、その菌相は安定しており、Synechococcus属の好熱性シアノバクテリアのほかに、Tepidanaerobacter属やCoprothermobacter属等の発酵細菌が主な構成種であることが明らかになった。また、水素資化性メタン菌であるMethanothermobacter thermautotrophicusが共存していることが分かった。本系では、シアノバクテリアによる酸素発生型光合成を主な一次生産経路とし、通性嫌気性菌の好気呼吸による酸素消費と、Coprothermobacter属等による高分子有機物の分解が進行し、発酵代謝によって水素が生成され、この水素はメタン生成に利用される。さらに、複合系の構成種は、系を不安定化させる要素を除去することにも寄与していると考えられた。 温泉由来の微生物複合系から、上記のような物質代謝を介した種間関係以外にも、光合成細菌の細胞凝集や走性に影響を与える種間相互作用を見出した。複合系に共存する従属栄養細菌を分離し、共培養効果を観察したところ、特定の組み合わせにおいて、光合成細菌の細胞集合や細胞接着が促進されることを見出した。細胞集塊を形成することによって、多様な代謝が混在できる微環境が成立していると考えられる。複合系では、このような種間相互作用を通して、状況に応じて細胞集塊の形成を制御しており、それが複合系の形成および系の安定化に寄与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)