2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質ストレプトスリシン生合成酵素を利用した生理活性物質の膜透過性向上への試み
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22688007
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
濱野 吉十 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (50372834)
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Keywords | NRPS / 抗生物質 / ストレプトスリシン / 生合成遺伝子 / 放線菌 / ペプチド合成酵素 / 2次代謝産物 / 酵素 |
Research Abstract |
本研究課題では(1)ST生合成遺伝子群の機能解析、(2)β-リジンポリマーを合成する新奇ペプチド合成酵素(Bls)の同定、(3)β-リジンポリマー転移酵素(Blt)の同定とその応用利用、これら3点を本研究の主目的としており、H23年度の研究では、次ぎの3つの実験計画を行った。 1-(2)Blsの同定と機能解析 ORF5(NRPS4)、ORF18(NRPS2)、ORF19(NRPS1)がBlsであることを明らかし、ORF5(NRPS4)はβ-リジンを活性化する酵素をコードし、ORF18(NRPS2)はST生合成中間体とのペプチド結合形成に直接関与していることを見出した。 さらに、ORFI9(NRPS1)がβ-リジンのオリゴマー化(ペプチド合成)を直接触媒することを明らかにした。 1-(3)Bltの同定と機能解析 ORF18(NRPS2)がBltであることを明らかにし、その基質特異性が広いことを見出した。また、この基質特異性を利用し、新規ST化合物の創製に成功した。 2-(1)長鎖β-リジンポリマー合成を可能にする高機能型Blsの構築 野生型のORF18を用いた酵素反応では1~4残基のβ-リジンが付加したSTしか生産されないが、ORF18(Q288A)では2~6残基のβ-リジンが付加したSTが生産されることを見出した。 2-(2)Bltの基質特性改変と種々化合物のβ-リジンポリマー化 ORF5、ORFl8、ORFI9の基質特異性を利用し、2'-aminoguanosineのβ-リジン化に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究事項1-(1)、1-(2)、1-(3)については研究計画通り終了し、研究事項2-(1)および2-(2)についても、計画通りの研究実績が得られている。また、これら終了した研究成果については現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究事項2-(1)長鎖B-リジンポリマー合成を可能にする高機能型Blsの構築および2-(2)Bltの基質特性改変と種々化合物のβ-リジンポリマー化について、現時点で研究計画の変更、問題点は生じていない。今後も計画通り研究を進めたいと考えている。
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Research Products
(6 results)