2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22688010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石丸 喜朗 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特任助教 (10451840)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 味覚 / 脳・神経 / 解剖学 / 酸味受容体 / シナプストレーサー |
Research Abstract |
本研究は、末梢の味蕾において別々の細胞によって感知される異なる基本味が、どのように中枢へ伝えられるかという「味覚コーディング機構」の解明を目指している。前年度までに、味神経の細胞体が存在する感覚性脳神経節において、嗜好する甘味・うま味と忌避する苦味・酸味を伝える味覚伝導路が分離していることが示された。 今年度は、味細胞と味神経間連絡の形成・維持を制御する分子群を同定する目的で、味細胞の種類ごとに特異的に発現する分子を探索した。まず、当初計画していた味細胞種ごとにGFP標識したトランスジェニックマウスを作出し、異なる味細胞種間で遺伝子発現プロファイルを比較する方法は、解析に必要な数の味細胞が取得困難であることが判明した。そこで、我々の研究室で所有する転写因子Skn-1a(Pou2f3)欠損マウスを使用した(Matsumoto et al., Nature Neurosci. (2011))。この欠損マウスの味蕾では、甘・苦・うま味を受容するII型細胞が消失し、代わりに酸味を受容するIII型細胞に置き換わっている。mRNA-Seq法を用いて、野生型マウスの有郭乳頭と周辺上皮、及び、欠損マウスの有郭乳頭におけるmRNA発現を網羅的に比較解析した。その結果、有郭乳頭において、野生型マウスと比べて欠損マウスの発現量が大きい遺伝子と小さい遺伝子には、それぞれIII型細胞とII型細胞に特異的に発現する既知遺伝子が含まれていた。また、I型細胞に特異的に発現するNTPDase2は、両者の値がほぼ等しかった。現在までに、味細胞と味神経間連絡構築への関与が示唆される複数の候補遺伝子を同定している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)