2010 Fiscal Year Annual Research Report
産卵場解析による魚種交替生物過程の解明と海洋生態系間比較
Project/Area Number |
22688017
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
高須賀 明典 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所, 主任研究員 (00392902)
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Keywords | 海洋生態 / 海洋資源 / 水産学 / 生態学 / 国際研究者交流(米国・ペルー・カナダ) |
Research Abstract |
本研究課題では、気候変動に伴ってカタクチイワシとマイワシの間で優占魚種が入れ替わる「魚種交替」現象の生物学的メカニズムを明らかにするため、産卵場解析を中心に研究を進め、異なる海洋生態系間比較を介してのシナリオ提示を目指す。今年度は各項目についてほぼ計画通り進捗させた。 1.産卵特性に対する産卵場環境の歴史的変遷と魚種交替機構 これまで1978~2007年の30年間に我が国太平洋岸で実施された産卵調査のデータを整備し、解析に利用してきたが、マイワシが崩壊から回復した1970年代前半の情報が不足していた。産卵場環境の歴史的変遷を調べるデータセットを作成するために、直近のデータ更新と共に和歌山県・愛知県・徳島県の1947~1977年の調査の紙媒体資料約2,500ページ(約7,500件)を電子化した。 2.主産卵場形成機構 所属機関で両魚種の重複産卵期である2~3月に実施された産卵調査を担当し、主産卵場でのカタクチイワシ、マイワシ等、小型浮魚類の卵・仔魚採集と環境要因データ取得を密に行った。 3.物理・生物環境に対する産卵特性の海洋生態系間比較 ペルー海洋研究所および米国南西水産研究センターの協力者と共同し、海洋生態系間比較の準備を進めた。産卵場解析の海域間比較に統一して用いる手法を一般化加法モデルに決定し、細かい設定調整を行った。 また、魚類の初期生活史における成長-生残研究に関するワークショップの準備を進めた。
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