2011 Fiscal Year Annual Research Report
シンチレーション法を利用した地目混在農地の熱環境評価に関する研究
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22688019
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
竹下 伸一 宮崎大学, 農学部, 准教授 (40381058)
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Keywords | フラックス / 早期水稲栽培 / シンチレーション / フェッチ / 気候緩和機能 |
Research Abstract |
従来は均一な面として取り扱われることの多い農地であるが,実際の農地は,圃場や畦畔,作業道,用水路,排水路が混在している.圃場にしてもマルチされた露地栽培圃場,水稲栽培圃場,ビニールハウスなど農業生産活動によって土地の利用形態も大きくことなる.実は土地利用が混在している農地のフラックスを,様々に観測して,地目混在地としての農地のフラックス環境を評価することが本研究の目的である. 研究2年目である平成23年度は,3月中旬から作付けがはじまる宮崎県の早期水稲栽培ほ場を対象に,その生育ステージに併せて,シンチレーション法によりほ場のフラックス観測を行った.また,光路上に水田ほ場の他に,道路や水路などが含まれるようにシンチレーションを設置して,フラックス観測に与える影響について検討した. 早期水稲の生育ステージによって顕熱フラックスは若干の差異が見られたものの、純放射に対する割合で見るとほぼ一定であった。水田上の顕熱フラックス観測値が、アスファルト道路から距離によって変化するかを見た所、極近いとき(2m程度)の時には違いが現れるが、5m程度離れるとほぼ影響は見られなかった。また、100mの光路に対して、5m程度の道路が含まれていても顕熱フラックスへの影響は極僅かであった。以上のことから、水田上の顕熱フラックスに与える周辺道路等の影響は極僅かであることが分かった。水田の持つ気候緩和機能について考えていくときには、反対に道路上の顕熱フラックスに与える周辺農地の影響が同等であるのかを詳しく検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通り早期水稲栽培の生育ステージにあわせたシンチレーションによるフラックスの観測を実施することができた。また、光路上に道路等を加えた観測についても実施することができた。ただし、光路上にビニールハウスを加えた観測は、現地観測の困難さから実施できていない。また、フットプリント解析が十分に行えていななど、遅れている点もある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、今後早期水稲栽培に加えて、普通期栽培の水田におけるフラックス観測も実施し、農地の持つ気候緩和機能についてさらなる検討を加えていく。ただし、当初予定していたビニールハウスを光路上に設けた混在地目のフラックス観測は、現場での観測が困難であることからこれを変更し、代わりにアスファルト舗装面の混在率を変えたフラックス観測を実施するように若干の変更を加える。
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