2010 Fiscal Year Annual Research Report
西アフリカ・ボルタ川流域の大規模な湿地・湖沼における水収支および気象緩和機能解析
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22688020
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
藤原 洋一 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 主任研究員 (10414038)
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Keywords | 水循環 / 水資源 / 氾濫原 / 洪水 / 農業工学 / 蒸発量 / アフリカ / ガーナ |
Research Abstract |
1.研究の目的:西アフリカ・ガーナ・ボルタ川流域に含まれる大規模な氾濫低湿地・湖沼における水移動を解析するだけでなく、降水量の約9割に相当する量が持ち出される蒸発量を観測することによって、貴重な水資源を巧みに利用できるような湿地・湖沼の適切な保全・管理方法を提案することを目的とする。 2.水動態の観測:クイックバード画像による事前確認および現地踏査によって研究対象とする湿地を決定し、東-西方向のトランセクト(水田1~水田2~湿地1~湿地2~ボルタ1)、南東-北西方向のトランセクト(水田1~水田2~湿地3~湿地4~湿地5~ボルタ2)を設定した。各観測地点において、地表水位および地下水位を観測するために、水位ロガーを設置した。その結果、累積降水量が500mmに達する8月中旬になると湛水面が地下20cm付近まで上昇し、その後は水面が地表面付近で維持された。湛水面が地表まで上昇している時には降雨イベントが見られることから、この湛水の起源は雨水と判別できた。一方、9月中旬に見られる水位の急上昇は、降水と全く対応していないことから、この湛水はボルタ川の氾濫水であることが分かった。 3.蒸発量の観測:対象とする湿地の場合、水位変化が極めて大きく、また、季節によって濁度の変化も相当ある。この場合、水体への熱貯留の増加、濁度によるアルベドの変化による放射収支の変化、などによって蒸発量が季節的な特徴を持って変化することが考えられる。そこで、水面からの蒸発量を求めるためボーエン比法を適用するために、2高度における温度、湿度、風速、放射収支計をブイに設置して、対象とした湿地に浮かべて観測を開始した。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Study on crystal growth and control to improve soil fertility in West Africa2010
Author(s)
Hatta, T., Sakagami, J-I., Hayashi, K., Fujihara, Y., Nemoto, S., Oya, T., Matsumoto, N., Shinohara, Y.
Organizer
The 2010 SEA-CSSJ-CMS trilateral meeting on clays
Place of Presentation
Seville, Spain
Year and Date
2010-06-08